お見合いしたその日に「私、妊娠しているから」 クラリネット事件で夫を激怒させた“令嬢妻”の本性

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生活力のない妻

 ところが美重子さんは、資産家の“令嬢”、贅沢が身についていた。一方、康太朗さんは中小企業のサラリーマン。どんなにがんばって働いても収入が飛び抜けてよくなるはずもない。

「もうきみの境遇は変わったんだよ。今までみたいに親には頼れない。僕は働くけど、このご時世だから、子どもが保育園に入れるようならきみも働いてほしいと言ったんです。でも妻はできないと……。「結婚を機にアルバイトは辞めたのだが、まがりなりにも働いたことがあるのはその一社だけ。そんな娘を結婚させて放り出す親もひどいですよね」

 美重子さんは働く気はなかったらしい。かといってやりくりもできない。康太朗さんは自ら生活費をやりくりして買い物をし、夕飯の支度もした。ひとり暮らしが長かったから、それほど苦ではなかった。洗濯と掃除は美重子さんが担当したが、「最近、全然おしゃれしてない」と文句を言うようになった。

「僕の月給は変わらない。働く気がないなら、きみが親に頭を下げて援助してもらうしかないだろと言ってしまったんです。そうしたら彼女、その通りにしたんですよ。なんだかんだ言っても意地を通せるほど自立してはいなかったんでしょうね。親といろいろ話し合ってきたのか、子どもが2歳になるころには親子の蜜月が再開したようでした」

長男に冷たい…妻の過去

 その後、康太朗さんとの間に男の子が生まれた。妻の両親は「その子をうちの跡取りにしたい」と言ってきた。冗談じゃない、長男はオレの子だと彼は突っぱねた。妻は彼が怒っているのを黙って見ていた。

「妻に対して、いろいろ疑惑がわいてきました。親子が仲良くなったのは悪いことじゃないけど、妻は家ではいつも親の悪口を言っているわけです。それもかなり辛辣に。『早く死んでくれればいいのに』と言ったときは驚きました。冗談でもそんなことを言ってはいけないと思わず説教しましたよ。でも妻は『あなただってそう思ってるでしょ』と平気な顔をしている。それでいて生活費を援助してもらっているわけだから、あまりに図々しいと僕は思っていました」

 もうひとつ疑問だったのは、妻が長男をかわいいと思っていないのではないかという点だった。長男が幼かったころ、康太朗さんが帰宅するとべそをかいていることが多かった。やんちゃな子だったから、また怒られたのかと思っていたが、あるとき長女から「ママがぶったから弟が泣いてる」というようなことを聞き出せた。父親は違っても、美重子さんにとってはどちらも自分の子だ。だが下の子には愛情がわいていないのではないかと彼は疑った。

「これだけは黙っていられない。妻と正面切って話し合いました。子どもへの虐待は許せないから。すると妻は、自分も殴られて大きくなった。だけど今では親とわかりあっていると言うんです。それは妻自身が、自分の気持ちと向き合っていないだけ、本当は親とわかりあってはいない、お金のために軍門に降ったようなものだろうと言ったら、号泣していました」

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