「大物議員が責任の押し付け合い」 自民党裏金問題、特捜部が照準を合わせた2議員の名前とは
5年で1億円超が裏金化か
“パンツ泥棒の過去あり”と本誌に報じられて以降、永田町では「パンツ高木」と呼ばれている高木氏と森元総理は同じ北陸出身である。
特捜部が議員や秘書への聴取の中で、“キックバックの一部を森元総理に上納していなかったか”と聞いていることは本誌23年12月28日号でお伝えした。そればかりか、捜査の焦点となっている22年5月のパーティーを巡っても、派閥の“ドン”たる森元総理の名前がちらつき始めた、というわけである。
特捜部は目下、安倍派と並行して志帥会(二階派)の裏金作りについても捜査を続けているが、こちらでも“ドン”である二階俊博元幹事長(84)の存在に行き当たる可能性が高い。
「安倍派は所属議員側に裏金がたまる手法だったのに対し、二階派は派閥側に裏金がたまるスキームです」
全国紙社会部デスク(前出)がそう解説する。
「例えば、1回の派閥パーティーの収入が1億円だった場合、8千万円分を収支報告書に記載し、2千万円を裏金化。各議員へのキックバックは記載した8千万円の中から出すのです。二階派では5年で1億円超が裏金化されたと見られています」
二階派に所属していたある議員が言う。
「派閥で裏金作りが行われていたことは、所属議員側は全く知りませんでした。それを知っていたのは、派閥の会計責任者と二階さんだけでしょう。そのお金の使い方を決めるのも、二階さんだと思います」
居並ぶ安倍派の大物議員だけではなく、森元総理や二階元幹事長まで――。誰も立件できなかった時、「最強の捜査機関」である特捜部の威信は保てるだろうか。
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