「大物議員が責任の押し付け合い」 自民党裏金問題、特捜部が照準を合わせた2議員の名前とは
高額キックバック議員
数十人もの国会議員がターゲットとなっている前代未聞の捜査の現状を俯瞰するには、「派閥側」と「議員側」に分けて考えるのがいいだろう。
先にご紹介した、パレスホテルで聴取された議員の例は、言うまでもなく「議員側」の捜査だ。聴取の中で議員が検事から聞かれている通り、収支報告書への不記載を秘書に指示していた場合、秘書だけではなく、議員本人も立件される可能性が出てくる。
「特捜部は、受け取ったキックバックの額が大きい順に聴取しています」(地検担当記者)
中でも、特捜部が立件を視野に入れている議員とされるのが「高額キックバック議員」としてすでに新聞などで繰り返し名前を報じられている面々。すなわち、キックバック額5千万円超の大野泰正参院議員(64)、4千万円超の池田佳隆衆院議員(57)、谷川弥一衆院議員(82)の三人である。
事務局長は逮捕される?
一方、「派閥側」の捜査はどうなっているのか。
「安倍派の会計責任者たる事務局長は最終的に逮捕、あるいは在宅起訴になる公算が大きい」(同)
捜査のポイントは、安倍派の事務局長が派閥の収支報告書への不記載を決めた背景に、“誰”の指示があったのか、だ。派閥会長を務めた細田博之元衆院議長と安倍晋三元首相はすでに他界している。それ故、過去5年の事務総長経験者である下村博文元文科相(69)、松野博一前官房長官(61)、西村康稔前経産相(61)に、現職の高木毅・前党国対委員長(67)を加えた四人の関与が焦点になっているわけである。ただし、
「議員と会計責任者との共謀を問う場合、派閥の事務総長という肩書にこだわることはありません」(元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士)
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