山川穂高が抜けた西武を救え!獅子の「ランディ・ジョンソン」が覚醒するか…パ・リーグ、2024年“ブレイク候補”を大予想

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楽天の浮沈を握る“新たな松井”

 4位の楽天は、世代交代が急務だ。特に、投手陣は、守護神の松井裕樹が大リーグのパドレスに移籍し、先発の柱だった則本昂大が抑えに配置転換となることから、先発の穴を埋める“新たな力”の台頭は必要不可欠。その筆頭候補として期待したいのが、プロ入り3年目を迎える松井友飛である。

 松井は、石川県立穴水高時代は公式戦で1勝もできず、金沢学院大で才能が開花したという大型右腕である。23年には5月4日のロッテ戦で、5回を3安打無失点に抑えて、念願のプロ初勝利をマークした。

 他球団の編成担当者は、彼の長所について、以下のように話す。

「長身でクロスに踏み出して、倒れ込むように投げ込んでくるので、特に右バッターは怖いと感じると思いますね。スピードは140キロ台中盤くらいですが、きれいなストレートではなく、打者の手元で微妙に動く。これが厄介なボールで、相手打者は、バットの芯を外されて内野ゴロや力のないフライになってしまう。コントロールはアバウトに見えますけど、意外に変化球でもカウントがとれますね。自信をつければ、先発で一軍の戦力になりそうです」

 23年の楽天は、則本に次いで投球イニングが多かった投手が、田中将大や岸孝之といった大ベテランだ。それ以外の先発は、荘司康誠と早川隆久しか見当たらず、“新たな松井”の飛躍は、チームの浮沈を握っている。

身長191cmの“未完の大器”

 松井稼頭央監督の1年目は、5位に沈んだ西武。主砲・山川穂高がFAでソフトバンクに移籍し、打線の再構築が大きな課題となっている。しかしながら、今回の条件に当てはまる野手の“ブレイク候補”は、東海大相模高出身の内野手、山村崇嘉(20年3位)くらいしかいない。その一方で、投手には楽しみな選手が多い。その中でも、関係者の間で密かに話題となっているのが、身長191cmの大型左腕、羽田慎之介(21年4位)だ。

 八王子高時代、3年夏の西東京大会では故障で登板がないまま、チームが敗退したものの、素材の良さを評価されて、ドラフト4位で指名された。当時、他球団のスカウトは、羽田をこう評していた。

「典型的な“未完の大器”タイプで、投げてみないと分からないところはありますが、はまった時のボールは本当に凄い。大げさではなく、ランディ・ジョンソンみたいです」

 ランディ・ジョンソンとは、言わずと知れたメジャー通算303勝をあげた大投手。スリークォーター気味のフォームは、確かに羽田とよく似ている。プロ入り後の2年間は二軍でも目立った成績を残していないにもかかわらず、他球団を含めた関係者から、筆者は羽田の評判を聞く機会は多くなっている。冒頭で触れた山下のように、羽田もいきなり一軍で快投を見せてくれる可能性も十分に考えられる。

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