キラー・カーン 尾崎豊は常連客、忠実に守った母の教え…力士、プロレスラー、居酒屋経営者の優しき人生
とてつもなく優しい性格
相手の首元を両手で挟み打つ「モンゴリアン・チョップ」を得意技にしている新日本プロレスの天山広吉は、その日(1998年4月4日)、気をもんでいた。同技の創始者、キラー・カーン(本名・小澤正志)が会場に招待されていたのだ。彼が日本のプロレス会場に現れるのは、引退した1987年から数えると、実に11年ぶりのことだった。天山は意を決して、控え室まで行き、
「モンゴリアン・チョップ、使わしてもろうてます。ご挨拶が遅れまして……」
と言うと、
「挨拶に来なきゃいけないほど、難しい技じゃないじゃん! どんどん使ってよ!」
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