インド経済の飛躍はモディ首相への“評価”にかかっている…アメリカも注視する「極めて危うい構図」とは

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インド産ウイスキーも台頭

 2023年に人口が世界一となったインドは、このところ経済が絶好調だ。

 インドの昨年第3四半期の経済成長率は前年比7.6%上昇した。市場予想の6.8%、インド準備銀行(中央銀行)の6.5%をそれぞれ大幅に上回っている。

 伸び率は前期の7.8%からやや鈍化したものの、製造業の好調さと政府支出の伸びが高成長を維持した形だ。

 弱いと言われてきた製造業も実力を付けてきている。

 2023年12月12日に発表された10月の鉱工業生産指数は前年比11.7%上昇した。16ヵ月ぶりの高い伸びで、市場予想の10%を上回った。耐久消費財の需要が好調だったことが主な要因だ。

「メイド・イン・インド」の製品は国際的な競争力も持ち始めている。

 インドはもともとウイスキー愛好国だが、最近は生産国としても存在感を増しつつある。インド産のシングルモルト「インドリ」は昨年、世界最高のウイスキーに選ばれた。ニューデリー近郊の蒸留所では1日約1万本が製造されており、欧米をはじめとする老舗ブランドと国内商店の棚を奪い合っている。

中国経済はスランプ、インド経済は期待大

 製造業以上に躍進ぶりを見せているのが金融市場だ。

 インドの証券取引所の時価総額は11月下旬、4兆ドル(約570兆円)を突破し、年間ベースで8年連続の上昇を記録した。

 インド株式市場の急成長を支えているのは、スマートフォンを駆使して信託商品などに積極的な投資を行っている何百万人もの若い国民だ。

 株式に投資する人数は急増しているものの、その数は約4000万人とされている。14億人という世界最多の人口に比べれば極めて小さいことから、「市場の将来性はバラ色」との予測が一般的だ。懸念されていたインフレが沈静化する一方、国内での投資が増加するとの予測から、インドの潜在成長率は7%に上昇するとの見方も出ている(12月12日・28日付ブルームバーグ)。

 国際通貨基金(IMF)は「中国とインドが今後の世界経済を牽引する」との見方を示しているが、現下の中国経済はスランプに陥っている。

 ゼロコロナ政策を解除したのにもかかわらず、昨年の中国経済は期待外れに終わってしまった。不動産バブルが崩壊したせいで、今年の経済は昨年以上に落ち込み、不況の長期化も懸念されている。

 これに対し、インド経済への期待は高まるばかりだ。

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