ホスト一斉摘発の裏ですすむ“本丸”「トクリュウ」包囲網 元メンバーが語った「アメーバみたいな存在だから警察は“上”に辿り着けない」

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「俺たちも全貌はわからない」

「『ナチュラル』などのスカウトグループがタチが悪いのは、売掛金の支払いが溜まっている女の子を悪質ホスト店から流してもらって、風俗の仕事などを斡旋しているところ。コロナ禍では風俗嬢の“出稼ぎ”が流行ったけど、コロナ明けからは出稼ぎ先が国内だけじゃなく海外にまで広がっている。フィリピンやオーストラリアなどに“出張”させ、現地で売春させて売掛金を払わせる手口。警察はここを取り締まろうとしているんじゃないかな」(同)

 現地では管理売春をさせるため、日本人の半グレ・グループも協力しているという。この全体の流れを警察当局は「トクリュウ」と見なし、一斉摘発しようという流れなのではないか――という見立てである。

 だが「『トクリュウ』の形としてホスト業界は特殊」という声もある。「トクリュウ」犯罪に加わった経験を持つ暴走族OBの男性はこう言う。

「『トクリュウ』は実際、関わってる僕たちも全貌がわからない。もっとアメーバみたいな存在なんですよ」

 では、“現場”から見た「トクリュウ」とはどういった存在なのか。流動的な犯罪グループはどうやって作られるのか。

「白状するバカはいない」

 前出の暴走族OBは「“案件”によってパターンは違いますね」と語る。

「例えば、昨年に流行った時計店強盗のような“タタキ(強盗)案件”では、闇バイトで集めた人間を現場に行かせることもあれば、命令に逆らえない地元の後輩を行かせることもあります。指示役のトップもルフィみたいな半グレである時もあれば、暴力団組員の時もある。実態はあってないようなもので、“場面”(ケースバイケースの意)としか言いようがないんです」

「トクリュウ」の組織図は、「ピラミッド式」というより枝分かれしていく樹木のような形になっているともいう。銀座の時計店強盗の実行犯は逮捕されたが、たとえ強盗が「成功」して数千万円の稼ぎを手にした時でも、間に入った“枝”の人間に何重にも中抜きされ、実行役には1人10万円程度の報酬しか渡されないという。

「逮捕されたとしても、実行犯が知っているのは、その一個上の指示役まで。テレグラムとか暗号性の高い手段でやりとりしてるし、さらに枝の根本までは辿り着けない仕組みになってる。それにたとえ上の存在を知っていたとしても、警察にゲロってしまうと2度とコッチの世界で生きていけなくなるから、白状するバカはいない」

 さらに別の半グレ・グループの人間にも話を聞いた。

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