吉高由里子主演「光る君へ」は「どうする家康」の雪辱を果たせるか 唯一のウィークポイントとは

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平安時代モノが壊滅状態になった理由

 1992年の正月2日、12億円もの制作費が投じられた片岡仁左衛門(79)の主演作「源氏物語・下の巻」が世帯視聴率9.9%にとどまった。TBSに衝撃が走り、他局まで驚いた。その後、平安時代の貴族社会を舞台にした作品が目に見えて減った。

 さらに平安後期の貴族社会を揺るがした平家の頭領・平清盛(松山ケンイチ・38)を主人公とした大河「平清盛」(2012年)が、全50回の平均視聴率が12%にとどまった。これもあって、平安時代のドラマは壊滅状態になった。

 ただし、面白い時代であるのは間違いない。視聴者の興味を高められるかどうかは大石氏の筆力にかかっている。

「どうする家康」の人気が高まらなかったことより、観る側の視聴習慣が変化してしまったという問題もある。ほかの番組に乗り換えた人をどれくらい引き戻せるか。

「光る君へ」には大河の威信回復がかかっている。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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