吉高由里子主演「光る君へ」は「どうする家康」の雪辱を果たせるか 唯一のウィークポイントとは
吉高由里子&柄本佑に死角なし
吉高の大河への出演は宮崎あおい(38)が主演した「篤姫」(2008年)での於哲(おてつ)役以来2度目。2006年のデビューから17年が過ぎ、この間、連続テレビ小説「花子とアン」(2014年上期)など10本以上のドラマに主演した。
主演映画も「ユリゴコロ」(2017年)など7本。同作で日本アカデミー賞の主演女優賞を獲るなど評価も高いから、不安材料は見当たらない。
一方、道長役の柄本佑は30~40代で屈指の名優だから、こちらも死角はない。破滅型の雑誌編集者を演じた「素敵なダイナマイトスキャンダル」(2018年)でキネマ旬報ベスト・テン主演男優賞を獲得した。ほかの映画賞も総ナメにしている。
役の幅も広い。主演したNHK「心の傷を癒すということ」(2020年)では繊細で理知的な在日韓国人の精神科医・安和隆役に扮し、同「書店員ミチルの身の上話」(2013年)では婚約していた主人公(戸田恵梨香・35)に捨てられる金持ちのバカ息子を演じた。
「柄本佑の演技にハズレなし」という状態がずっと続いている。妻も名優の安藤サクラ(37)。お互いに相手の才能にも惹かれたのだろう。
大石静氏は「功名が辻」以来の大河
となると、カギを握るのは脚本。書くのはベテランの大石静氏(72)である。大河を書くのは仲間由紀恵(44)と上川隆也(58)がダブル主演した「功名が辻」(2006年)以来2度目。同作は全49回で20.9%の平均世帯視聴率を得た。
ほかにも松田聖子(61)が主演したTBS「わたしってブスだったの?」(1993年)やNHK「セカンドバージン」(2010年)、北川景子(37)主演の日本テレビ「家売るオンナ」(2016年)など、数々のヒット作を書いている。視聴者無視の実験作を書かない人だ。
あえてウィークポイントになりそうな点を挙げると、平安時代という時代設定。平安時代の貴族社会とその時代そのものが、ドラマとの相性があまり良くない。
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