安倍派裏金捜査で窮地の「萩生田光一」都連会長 地元・八王子市長選で小池都知事が思惑含みの動き
“絶対に負けられない戦い”
2024年は注目選挙が目白押しである。
岸田文雄総理が伝家の宝刀である解散権を行使するかどうかが注目され、さらに、今年7月には東京都知事選挙が控えている。現在2期目の小池百合子都知事の出馬が焦点だ。
「いまのところ、小池知事が3期目に挑戦するとは明言していないものの、都庁幹部の間では小池知事の出馬が既定路線となっています」(都政担当記者)
今月、その都知事選を占う重要な選挙が予定されている。1月14日に告示され、21日に投開票される八王子市長選である。
八王子といえば、前政調会長で自民党の都連会長を務める萩生田光一氏の地元。萩生田氏は永田町を揺るがす安倍派の裏金問題の渦中にあり、一連の問題が発覚して「一兵卒に戻る」として政調会長を辞任した。さらに、昨年末には東京地検特捜部による任意聴取が行われたと報じられている。
令和のリクルート事件とも称される 今回の裏金問題により、来たる衆院選では萩生田氏も厳しい戦いが予想される。それゆえ、今回の八王子市長選は“絶対に負けられない戦い”なのである。
小池知事とは距離をとっていた
今回の選挙では自民党が3期にわたり推薦してきた現職の石森孝志市長が退任する意向を示している。そこで、自民党と公明党が推薦しているのが、元都庁職員の初宿(しやけ)和夫候補(59)だ。都庁時代は報道担当理事や新型コロナウイルスの感染症対策を担当するなどをしていた。
「ここ最近の都内の首長選挙で都民ファーストは、小池知事に近い元都庁職員を擁立してきました。昨年4月の豊島区長選では高際みゆきさん、先月の江東区長選では都の政策担当部長だった大久保朋果さん。いずれも、小池知事の近くで仕事をし、信頼されてきた人材でした」
しかし、初宿氏はそうした候補とは少し毛色が違うのだという。
「都庁時代、初宿さんは積極的にメディアや都議に接触し、情報交換を行うタイプの職員でした。そのため、情報が漏れることを警戒し、小池さんは初宿さんとは距離をとっていた。一方で、都議会公明党のドンと呼ばれ、八王子選出の東村邦浩都議と親しいことで都庁内では知られていました。今回の出馬に際し、事前に東村氏に相談し、萩生田さんからの協力も取り付けており、地元では東村さんと萩生田さんとの3連ポスターが作られています」
八王子市は公明党の大票田だ。
「八王子には創価大学など、創価学会関連施設が集まっています 。八王子で生活する学会員も多く、萩生田さんが前回衆院選で獲得した約15万票のうち、3分の1弱は学会票と見られています。そのため、萩生田さんは東村さんに頭が上がらないと言われている。その公明党に全面的に支援されれば、初宿さんにとってこれほど力強いことはないでしょう。ところが、一連の裏金スキャンダルで逆風が吹き、公明党・創価学会の危機感は相当強い。万が一、初宿さんが負けることがあれば“萩生田のせいだ”と公明党内では言われているほど。公明党が連れてきた候補なのだから当然です」
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