ゴミ袋がオリックスファンに直撃も…ネットが炎上したプロ野球ファンの“残念な行動”

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「気合を入れろ、ライオンズ!」

 打席に入る選手に対し、スタンドのファンから異例の“働けコール”が起きたのが、6月14日に東京ドームで行われた巨人対西武だった。

 3連敗中と元気のない西武は、この日も1対1の3回裏に岡本和真の左越えソロなどで3点を勝ち越され、反撃が期待された4回表の攻撃も、先頭の平沼翔太が3球で遊ゴロに倒れて1死となった。

 そして、7番・金子侑司が打席に入り、カウント1-1となると、左翼席を埋めた西武ファンから「働け!働け!金子!」の“働けコール”が沸き起こった。

 金子は開幕から27試合で打率.160、0本塁打、1打点と極度の打撃不振に苦しんでいたが、プロ11年目、33歳の選手に対して「働け!」はいかがなものか。

 打席の金子は、特に反応することはなかったが、1-1から2球続けて戸郷翔征の変化球を空振りして三振に倒れた。次打者・古賀悠斗も初球打ちの右飛に倒れ、あっけなく攻撃が終了すると、一部のファンからブーイングまで起きた。

 さらに5回の攻撃中にも「気合を入れろ、ライオンズ!」という過激な檄が飛んだ。チームが最下位に低迷し、フラストレーションが溜まる気持ちはわからないでもないが、明らかにやってはいけない一線を踏み越えていた。

 ネット上でも、この日の異様な応援に対し、「あれは応援ではない」「レフトスタンドにいましたがあれ聞いてファンとして恥ずかしくて試合途中で帰った」などの声が相次いだ。

「西武ライオンズ応援団」も試合後にツイッターを更新し、「今日の応援のコールに関してまず謝罪したいと思います。応援団としてみなさんを引っ張っていく上で最悪でみっともないコールをしたことをお詫び申し上げます。金子選手に対しても無礼なコールだったと思います」と謝罪した。

 そして、“働けコール”から一夜明けた翌15日の巨人戦、金子は2回に長谷川信哉との連続犠飛で先制点に貢献する。攻撃終了後、レフトの守備位置に就いた金子にスタンドから「金子!金子!」のエールが贈られ、金子も帽子を取って一礼。プレーする選手と応援するファンの気持ちがようやくひとつになった。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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