大谷、山本の超大型契約の裏で…移籍先が決まらない藤浪晋太郎は“三流選手の契約”から抜け出せるか

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複数年契約を結べるかどうか

 一方で昨シーズン終了直後に出たものだが、メッツをメインに東海岸の球団情報を扱う「METS MERIZED」は、

<速球とスプリッターは魅力的だ。メッツブルペンは実質、ディアスとレイリーで構成されていたようなもの。(藤浪は)1年325万ドルで契約していた投手だ。それ以上の価値がある投手>(11月14日付)

 と、藤浪を高評価。これは、新たにメッツの編成トップに就いたデービッド・スターンズ氏の「エリートブルペンを構築する方法を知っている」とのコメントを受けて、どんなリリーフ投手を獲るのかを予想する内容になっていた。

 また、主にマリナーズを扱う西海岸球団の野球サイト「So Do Mojo」も、<与四球を制御できれば、空振り率が大幅に上がるだろう。まだ多くの才能を残している>と評していた。

 こうした称賛記事が出ているのに、契約は一向に進まない。一部では「先発起用にこだわっているため」と遅延理由を予想する声もあったが、それは藤浪自身が否定している。先の関西テレビの情報番組出演中、「23年を振り返って」と質問され、

「100点満点でしょう。そもそも、アメリカに行った時点で人生の成功だと思っているし、いろいろと良い経験ができました」

 と言い切っている。将来的な先発ローテーション入りの目標はあるとしても、起用法にはこだわっていないようだった。

「ボラス氏がウィンターミーティングで言った『契約提示を受け取っている』のコメントは本当でしょう。リリーフ投手の補充を考えているチームの地元メディアが藤浪の名前を出すもう一つの理由は、『年俸の安さ』です。彼の契約は『1年325万ドル』でした。300万ドル台で1年契約を繰り返すのはあまり好ましくない。この先もメジャーリーグでやって行きたいのなら、複数年契約を結ぶべきだし、年俸も高くしないと、オフの度にFAになる可能性がある。代理人は藤浪が腰を据えて野球に専念できるよう、契約の質を上げようとしているのでしょう」(前出・米国人ライター)

 言葉を選ばなければ、1年300万ドルクラスは“三流選手の契約”と言われる。日本人選手の多くが複数年の大型契約を結ぶのは野球に専念できる環境を得るためであり、チームメイトや現地メディア、そして、ファンにナメられないためでもあるという。「METS MERIZED」などの野球メディアが藤浪獲得を推すのは、300万ドルクラスが覚醒する可能性や費用対効果が見込めそうだからでもある。

 交渉遅延の真相は、前回の入団交渉で“三流選手の契約”しかできなかった代理人のリベンジも影響しているのかもしれない。

デイリー新潮編集部

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