JAL機炎上事故で浮上した「ペット」論争 愛犬・愛猫との「同伴搭乗」が問題解決にならない理由
5人が犠牲となったJAL機と海保機の衝突事故は焦点の「原因究明」だけでなく、新たな“難題”も浮かび上がらせた。全員脱出できたJAL機の乗客379人に対し、貨物室に預けられていたペット2匹の救出は叶わず、著名人を巻き込む「大論争」に発展——。しかし肝心の「なぜ日本ではペットの同伴搭乗ができないのか?」については、いまだ誰も明確な答えを示していない。
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【写真】「こうやって一緒に乗れるんだ!」実際のペットとの同乗写真と“論争の的”になっているスターフライヤーの「同意書」
貨物室のペットが救えなかった事実が明らかになった4日、元フジテレビでフリーアナウンサーの笠井信輔氏(60)は「どちらの航空機でも犠牲者は出ていた」とSNSに投稿。続けて、ペットの同伴搭乗を認めているエールフランスの例を挙げて「日本でも試験的に始めてみては、どうでしょうか?」と対策を強く促した。
この笠井氏の投稿にコメントを寄せたのが女優の石田ゆり子(54)だ。石田は「生きている命をモノとして扱うことが私にはどうしても解せない」と書き、笠井氏の提案に賛同の意を表明。また愛猫家として知られるメンタリストのDaiGo(37)も同日、「ペットを貨物室に預けなければいけない決まりにしている日本の航空会社が終わってる」と自身のSNSで怒りをにじませた。
「さらに愛犬家でタレントのIMALU(34)が〈本当に胸が苦しい〉と悲痛な思いをSNS上で吐露し、タレントの明日花キララ(35)もその後に軌道修正したものの〈ペットを貨物室に積み込むことは、家族を貨物室に入れることと同じです〉と訴えるなど、SNSを中心に賛否入り乱れた論争が巻き起こっています」(スポーツ紙記者)
笠井氏が指摘した「エールフランス」以外にも、「エア・カナダ」「ルフトハンザドイツ航空」「KLMオランダ航空」「デルタ航空(米国)」「ユナイテッド航空(米国)」「大韓航空」などで、一部のペットに限って同乗が認められている。一方で、日本の現状は大きく異なるのだ。
「手荷物扱い」の理由
日本でも唯一、スターフライヤーがペットとの同乗サービスを一部路線で導入しており、今月15日から全便に拡大することを表明している。
「指定のケージに入れる形となりますが、それでも客室で“ペットが吠えたりしないか?”など、他のお客様への影響を懸念する声もあったため、一部路線に限ったサービスにとどまっていました。しかし大きな問題はないと判断して、全便に拡充する方針となりました」(「スターフライヤー」経営戦略部)
小型の犬と猫に限られるが、料金は1匹5万円。サービスを開始してから約2年間で「300件程度の利用があった」(同)という。ペットと一緒に空の旅行を楽しめるのがスターフライヤー1社となっている背景について、航空評論家の青木謙知氏がこう話す。
「日本ではペットは『手荷物扱い』となるのがルールで、それはペットを殺傷しても『器物損壊罪』に問われるケースがある現行法とも関わってくる話で、航空会社の意向だけで決められたわけではありません。またペットが『家族の一員』との意識が一般化するのは平成以降と考えられ、昭和の時代は“番犬”の例など戸外で飼うケースも多く、手荷物扱いに異論の声が出ることもなかったと聞きます」
それに比べ、欧米などでは古くから犬や猫を屋内で飼うケースが珍しくなく、ペットの手荷物扱いに違和感を抱く文化的土壌があったとされる。つまり海外と違って、日本でペット同乗が認められていないのは「文化や風習の違いが一番の理由」(同)と考えられているという。
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