「純烈の演出には呆れた。あの場でNHKの宣伝をするとは」酷すぎた紅白歌合戦、国民的番組として本来やるべきだったこと

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

亡くなったアーティストも

「今回は事前から旧ジャニーズ事務所に所属するタレントの不在が話題になっていましたが、NHKはジャニー喜多川氏による性加害問題が騒がれ始めた早々に『紅白』に出さないことを決めてしまった。記者会見をした9月7日の時点で、年末がどういった雰囲気になっているか読みができていなかった。民放が年末に放送した音楽祭を見ればわかるように、問題から遠そうなSnow ManやTravis Japanは出場させてもよかったのではないでしょうか。拙速に拳を振り上げて下ろせなくなったこと、そして、韓国グループはトップのBTSが兵役で出場できなかったことで、誰とは言いませんがB級グループの品評会になってしまいました」

 誰を出場させれば良かったのだろう。

「若者ウケやヒット曲を狙うのなら、カラオケで歌唱数が多いVaundy(バウンディ)や優里、Aimer(エメ)、DISH//(ディッシュ)だっていい。若者の間ではすでに懐メロになりつつある、いきものがかりやback numberだっていいでしょう。そうでないと、今年、ヒット曲がない福山雅治やMISIA(ミーシャ)がトリを取る理由がつかないでしょう。個人的には今年亡くなったアーティストをバーチャルで出場させても良かったのではないかと思っています」

 19年の「紅白」では美空ひばりをAIとCGで復活させて出場させたことがある。

「今年は特に、亡くなった有名アーティストが多かった。YMOの高橋幸宏と坂本龍一、アリスの谷村新司、NHKの技術とキャスティング力があれば、YMOやアリスをバーチャルで復活させることなど朝飯前でしょう。ミリオンヒット『愛は勝つ』のKANだって、山田邦子を呼んで彼が楽曲を提供した“やまだかつてないWink”の復活だってできたでしょう。もんたよしのり with 大橋純子の『夏女ソニア』のAI復活だっていい」

 視聴者層は上がってしまいそうだが……。

「スポンサーが関係ないNHKが、そんなに若者ウケを狙っても仕方がないでしょう。視聴率のコア層には35~50歳も含まれますし、世帯と個人の視聴率では高齢者も大事にしないと数字は上がりません。それができていないから視聴率が落ちているのです。NHKにとって大切なのは、多くの国民が納得する実績、存在感、親しみのある出場者です。そういった意味では、司会に有吉弘行を起用したのも選定ミスだと思います」

 今回は、昨年に続いて橋本環奈、朝ドラ「らんまん」でヒロインを演じた浜辺美波、そして有吉が司会を務めた。

「有吉は民放では『有吉の壁』(日本テレビ)や『有吉ゼミ』(同前)、『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS)などで実績はあるものの、すべての年齢層で数字が取れているわけではありません。ポケットビスケッツで出場した内村光良を司会にしたほうが、高齢層からも数字は取れたでしょう。新しい顔が欲しいのなら、『あさイチ』で国民に知られている博多華丸大吉だって良かったと思います。橋本と浜辺がそつなく司会をこなしていただけに、いつもの毒舌を発揮できなかった有吉は残念でしたね。今年の『紅白』こそ、しっかりと全国民のお祭りにしてもらいたいです」

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。