巨人監督のクビを飛ばした!? 「珍プレーの帝王」ブリンソンの“とんでもないプレー”
左中間を破る“併殺打”
2年連続Bクラスに沈み、原辰徳監督も退任となった2023年の巨人。シーズン通して波に乗れなかったチームの不振ぶりを最も象徴していたのが、新外国人、ルイス・ブリンソンの思わず口あんぐりの信じられないような珍プレーやボーンヘッドの数々だった。【久保田龍雄/ライター】
トップはやはり「若大将」!【写真特集】プロ野球監督別リーグ優勝回数ランキングベスト10(1990年~2022年)
スピードと守備力に加え、打撃でも上位を期待されたブリンソンは1月29日の入団会見で「フライはすべて捕るつもりで投手を助けたい。出塁して、盗塁でも何でも次の塁を狙って、たくさん得点して貢献したい」と力強く抱負を口にした。
ところが、開幕早々、自慢のスピードがチームの足を引っ張ってしまう。
4月6日のDeNA戦、0対0の2回1死一塁、左中間を破る長打を放ったブリンソンは、一挙三塁を狙ったが、一塁走者・岡本和真が三塁にストップしたのを見て、慌てて二塁へUターン。だが、時すでに遅く、二、三塁間に挟まれてしまう。押し出された岡本は、この間に本塁を狙ったが、タッチアウトになった。
ところが、まだ2死二塁にもかかわらず、スリーアウトと勘違いしたブリンソンは天を仰ぎながら三塁ベンチへと引き揚げていくではないか。これまたタッチアウトになり、左中間を破る併殺打というビックリ仰天の珍プレーが成立。先制機を凡ミスで潰し、0対4と完敗した試合後、原監督は「2度と起こってはいけないプレーが2つ(暴走と勘違い)続いた」と怒り心頭だった。
敗戦につながる重大ミス
もうひとつのウリであるはずの守備でもやらかしてしまったのが、5月2日のヤクルト戦だった。
4対2とリードの巨人は6回2死一、二塁のピンチで、先発・戸郷翔征に代えて鍵谷陽平をリリーフに送った。鍵谷は次打者・中村悠平を中飛に打ち取ったかに見えたが、直後、ブリンソンがまさかの後逸を犯し、同点に追いつかれてしまう。これには勝利投手の権利を得て降板した戸郷も唖然。試合も5対7と逆転負けし、敗戦につながる重大ミスとなった。
そして、翌3日のヤクルト戦でも、ブリンソンは2日連続のチョンボを演じる。
5点を追う3回1死、ブリンソンは左翼線二塁打を放ち、反撃の狼煙を上げたところまでは良かったが、次打者・門脇誠の平凡な中飛で三塁を回ったばかりでなく、三塁ベースを踏み直すことも忘れて帰塁を試みた挙句、併殺を取られてしまった。反撃機が一瞬にして無得点に終わり、ベンチの原監督も「信じられない」と言いたげに帽子を取って頭をかく羽目になった。
さらに同5日の中日戦、1対0とリードの4回無死一、二塁の加点機に送りバントを試みたブリンソンは、捕邪飛を打ち上げてしまい、またもや併殺という最悪の結果に。試合も3対8で敗れ、ネット上で「ブリンソンにバントさせたこと自体が疑問」の采配批判も出た。
[1/2ページ]