なぜ「ヤマザキパン」はいち早く支援物資を届けられるのか 背景にあった「3代目はクリスチャン」社長の“哲学”

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支援は「会社の責務」

 飯島氏がプロテスタント教会で洗礼を受けたのは1973年。その直後、当時の主力工場だった武蔵野工場が火事に遭い、全焼する不運に見舞われる。

「しかし周辺の工場の支援や協力によって、すぐに通常の供給体制を回復したといいます。この困難を経て、飯島氏は会社としての使命を問ううちに、被災地への緊急支援は『食品企業としての責務』と公言するようになったと伝えられます」(同)

 山崎製パンに今回の支援について訊ねると、

「火や水もない緊急時に、そのまま食べられるパンなどをできる限り早く、現地へと届けるのは当社の使命と考えています。今回も地震発生後、農林水産省から日本パン工業会に支援依頼があり、それに弊社が応えた形です。(迅速な対応が可能だったのは)自社で配送を持っていることや過去の経験、社内体制などが生きた結果と考えています」(同社広報)

 届けられたパンを頬張り、被災した人たちに束の間でも笑みが戻れば――と願わずにいられない。

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