ロシア軍は31万人の戦死者を出してもまだ余裕…貧困ネパール人も雇う、えげつない兵集め【24年のウクライナ戦争を占う】

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 ウクライナ政府の焦りを感じた人も多かったようだ。時事通信は2023年12月27日、「50万人動員『要請せず』 軍トップ、大統領と食い違い ウクライナ」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。担当記者が言う。

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「事の発端はウクライナのゼレンスキー大統領が12月19日に開いた会見です。ここで彼は『軍から最大50万人の追加動員が要請された』と発表。26日には追加動員に関する法案が最高会議に提出されたことも明らかになりました。ところが、軍トップのザルジニー総司令官は『軍として人数を挙げて(動員を)要請した事実はない』と否定したのです。時事通信は追加動員を実施すると国内に厭戦(えんせん)ムードが蔓延する可能性を示唆し、その上で大統領と総司令官の不仲説を伝えました」

 ウクライナの苦戦を伝える報道も相次いでいる。ロシアは25日、ウクライナ東部の要衝マリインカを制圧したと発表。ウクライナの報道官が一度は否定したものの、その後、ザルジニー総司令官が事実上の撤退を認めた。

「26日未明にはウクライナの戦闘機が黒海のフェオドシヤ市沖でロシアの揚陸艦『ノヴォチェルカッスク』を破壊し、ロシア側も艦の損傷を認めました。本来なら大戦果として注目されたはずですが、ウクライナ軍のマリインカからの撤退でかき消された印象です」(同・記者)

ロシア軍の膨大な被害

 そもそもロシア軍とウクライナ軍では戦力差が大きい。CNN(日本語電子版)は2022年2月26日に配信した記事で、両国を「巨人と少年」と形容した(註)。

「CNNはまず軍事費を比較しました。ウクライナの2021年の国防費は47億ドル(約6700億円)でしたが、ロシアは458億ドル(6兆5800億ドル)。ウクライナの現役兵は19万6000人、予備役は90万人、対するロシアの現役兵は90万人、予備役は200万人に達します。軍隊の規模だけを考えれば、ウクライナがロシアに勝てるはずがないのです」(同・記者)

 そもそもロシア軍による侵攻が始まった際、アメリカをはじめとする主なNATO(北大西洋条約機構)加盟国は、ゼレンスキー大統領に国外脱出を進言している。だが、ウクライナは徹底抗戦を選び、「巨人」を相手に戦果を重ねてきたことも事実だ。

「実際、ロシア軍は甚大な被害を受けています。同じくCNN(日本語電子版)は12月13日、『ロシア軍、地上兵力の9割近くを喪失か 米情報機関』との記事を配信しました。出典は情報機関からアメリカ議会に送られた報告書で、ロシア軍はウクライナに侵攻した兵士36万人のうち31万5000人が戦死、戦車3500台のうち2200台を失い、歩兵戦闘車と装甲兵員輸送車を合計した1万3600台のうち32%に相当する4400台が破壊されたそうです」(同・記者)

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