EDが「脳梗塞」「狭心症」「糖尿病」「認知症」の“予兆”の可能性も 厚労省認可の「ED治療器具」本当の評判

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“必中”に近い効果

「ビガー」は現在、日本で唯一、厚生労働省から管理医療機器として認可を受けている勃起補助具で、販売開始は21年10月。22年2月からは医療機関向けにも販売されている。

「厚労省から認可を受けているED治療薬としてはバイアグラなど3種類がありますが、いずれも医師の処方が必要で、頭痛などの副作用のほか、効果にも個人差がある。また心疾患系の治療薬を服用している方には処方できないなどの制約がある反面、ビガーにはそういった使用を制限する条件はほとんどありません。また原理がシンプルなので、確実な効果を見込める点も大きな特徴です」(辻村氏)

 ビガーは主にシリンダー(円筒形)とポンプで構成され、陰茎をシリンダー内に挿入後、手動でポンプを使い、シリンダーの内部を真空状態に。すると陰圧(吸引)がかかることで、陰茎の海綿体に血液が流れ込み、人為的に勃起させることが可能になる。附属リングを使えば、血液を止めて勃起状態を維持し、性行為もできるという。

「私のもとにEDの相談に訪れる患者さんは20代から60代までと幅広い年齢層ですが、既往歴の関係からバイアグラを処方できない、もしくは敬遠される方も一定数います。またバイアグラ服用者でも“最近、効きが悪くなった”と話す人もいる。そんな方にビガーを勧めていますが、最初は『何ですか、これは?』と形状に驚くものの、使用した患者さんのほぼ全てで“勃起”に成功しています。医療器具としての有効性は非常に高く、使用後は“男性としての自信”を取り戻すだけでなく、エビデンスは現状ないものの、繰り返し使うことによって陰茎内の血管が活性化される効果を期待する声も一部にあります」(辻村氏)

 勃起させるまでに10分程度を要し、使用時間も約30分と制限。また性交時の満足感が得にくいなどのデメリットも指摘されるが、それらを上回る評価の声が現時点では患者から届いているという。“万病のもと”であるED治療の選択肢が増えることは朗報にほかならず、EDに関する悩みを専門医などに勇気をもって相談することが何より重要という。

前編【「ED患者3600万人」「セックスレス夫婦7割」時代の到来 25年ぶりの全国調査で明らかになった「性欲を全く感じない」20代男子“急増”の意外な背景】からのつづき

デイリー新潮編集部

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