ヤクザたちの「行く年来る年」 池田組と絆會と神戸山口組の掲げた四字熟語の暗示するこれから

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池田組の理想像

「池田組の理想像は、6代目山口組と対等な関係を築きながら、世の中を渡っていくということかもしれません」(同)

 池田組の勢力自体は50名程度とされ、3000ともされる6代目山口組と対等な関係というのはかなり大変な話に聞こえるが、令和6年という時代なりのヤクザのサバイブ術がそこに見え隠れしていると言えるかもしれない。

「ヤクザとしてはやられたらやり返す、つまりカエシは当然の行為ではあります。が、今後、身を賭して組事(くみごと)として6代目山口組との抗争に打って出て、相手方の組員を殺害するなどして長い懲役を務めることになった場合、服役を終えて出てきたあとに池田組がどうなっているのか正直わからないところです。加えて、現場の犯行の共謀共同正犯として組織のトップまで逮捕されるケースがしばしば出てきています。昔と違って、襲撃や報復はそういうリスクも抱えており、それだけに慎重にならざるを得ないでしょう」(同)

 ともすれば、ヤクザの基本スタンスに従って相手への報復を行うことで、組織自体の存続を危うくさせてしまうこともあるというわけだ。その意味では、敵対組織からちょっかいや抗争を仕掛けられても辛抱をし続けることの方が、総合的にはメリットがあると言えなくもない。

6代目側に戻ることができる

 その池田組と運命共同体とされる絆會もまた12月末に納会を開いたという。こちらの指針は「常在戦場」。昨年と同じだ。

「しっかりした若い衆が多数在籍し、組織自体は活気があるとのこと。織田代表自身が57歳と若く、高い人気を維持しているようです。織田代表は司組長とは盃を交わしていないので、6代目側に戻ることができると見ています。織田代表が池田組を継承し、そのうえで出戻ってもらうのが6代目側としては理想的なのかもしれません」(同)

 一方、6代目と敵対する神戸山口組は昨年12月26日に納会を開き、「事必帰正(じひつきせい)」という指針を発表したという。万事必ず正しい道へ戻るといった意味のようだが、井上邦雄組長(75)の腹のうちはどういったものなのだろうか。

デイリー新潮編集部

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