「飲酒を学校に報告したキャプテンを炎天下に1時間立たせて…」 サッカー名門校で「66人大量転校」背景に監督によるパワハラ疑惑が【スクープその後】

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おえつする校長

 その際、コーチは理事長室のドアを無理やり開け、理事長につかみかかってこようとしたという。

「職員が割って入ってくれてことなきを得ましたが、この状況をまずいと思ったのか父兄もコーチを羽交い締めにしていました。私はもう怖くて、理事長室に閉じこもってしまいました」

 そこからは代わりに校長が対応したそうだが、

「向こうの勢いにのまれ、校長は“加古川で活動する子を選手権には出さない”という要求を受け入れてしまいました。なぜそんなことになったのかと校長に聞きましたら“夜9時を過ぎても帰らず異常な雰囲気になった。だから仕方なく場を収めるために”と言うんですよ」

 翌日、理事長は加古川の生徒たちを理事長室に呼び、

「校長とともに“本当に申し訳ないことをした”と謝りました」

 校長はおえつし、言葉に詰まってしまったという。

「生徒も泣いていましたが、“気持ちを切り替えて頑張ります”と言ってくれ、逆にこちらが励まされるようでしたよ。私らとしてはもう、申し訳ないという以外にありません」

「悲しんでいることはないと思う」

 かくして、10月22日に開催された県予選1回戦に、解任された元キャプテンを含む加古川組が出場することはなかった。

 上船氏にまずはパワハラの件について問うと、

「キャプテンには管理者側の一員として、選手の問題行動をコーチ陣に報告するのではなく、チームメイトと同じ立場で、一緒にチームを作るマインドを持ってもらいたかった。先輩のやり方を教えてあげただけで、パワハラはしていません」

 加古川組はなぜ予選に出られなかった?

「一緒に練習も競争もしてないのに、どうやってメンバーに入るのか。自ら淡路島を離れた選手がメンバーに入ることを、淡路島の選手たちは誰一人納得しません。また、加古川組には一人一人、試合に出場しない旨の意思を確認し、そのうえで彼らは淡路島を離れています。悲しんでいることはないと思います」(同)

 改めて保護者に聞くと、

「加古川組には夏のインターハイでベンチ入りした子が7人もいて、試合に出て頑張っていた。なのに予選で出場したのは飲酒した生徒たち。あんまりです」

 主力を欠いての県予選敗退。大量の転校劇の裏にはチームの混乱、生徒の分裂、保護者の憤りと悲嘆があった。

 まさに2枚目のレッドカードに値しよう。だが、生徒らの転校先のAIE高校で上船氏は今後も指導にあたるわけで、当面退場する気配はないのである。

 上船氏の出場停止期間は10月10日から1年間であり、同ルールを適用された指導者は(全国)高体連の主催大会に1年間出場できないことになる。上船氏は処分に対する不服申し立てを準備中とも報じられているが、果たして――。

デイリー新潮編集部

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