「飲酒を学校に報告したキャプテンを炎天下に1時間立たせて…」 サッカー名門校で「66人大量転校」背景に監督によるパワハラ疑惑が【スクープその後】

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部員の飲酒を報告したキャプテンを叱責

 それでもチームの大会成績は良好で、親も生徒も我慢していた。それが限界に達したのは今年9月だ。

「サッカー部員4名が飲酒し、そのことをインスタグラムに投稿したのです。見つけたキャプテンがさすがにまずいと思い、保護者と学校、上船氏に報告をしたのですが……」(同)

 あろうことか上船氏はこの生徒をキャプテンから外し、残暑厳しい炎天下の路上に1時間も立たせ、脇に止めた車の中から「親に言うとか意味わからん」「親に頼らず自分たちで解決できないのか」などと叱責した。

「正義感で動いたキャプテンを密告者のように扱い、パワハラまで加えたことは、さすがに私たち保護者も看過できませんでした」

 と保護者は振り返る。

“裏切り者を試合に出させるな”

「保護者数人で学院の森和明理事長(72)に直談判に行ったところ、理事長は上船の行動をパワハラと認定し、監督職からの解任も決断してくださった。監督に不信感を抱く生徒十数人を兵庫県加古川市内にあるキャンパスに避難させ、彼らを選手権に出場させるという約束も取り付けることができました」(保護者)

 これで一件落着かと思えばさにあらず。10月16日に監督を解任した翌日、上船氏とその右腕と目されるコーチのほか、上船氏を支持する生徒約40人と保護者3人が加古川キャンパスに来訪。そこで一騒動が――。

 森理事長によると、

「午後5時半くらいでしょうか。コーチが現れて“エルシオを監督にして、淡路に残った子たちだけで選手権に出させろ”と要求してきました。エルシオとは上船のもとで働くフィジカルコーチのことです」

 その場に上船氏も合流すると、生徒たちは高ぶった。

「彼らは“裏切り者を試合に出させるな”とか“生徒ファーストなんやったら、言うこと聞かんかい”などと延々言い立ててくるんです。ほとんど恫喝でしたよ。私は“加古川(に退避中)の子たちとも仲良くして一緒に選手権に出よう”と提案したのですが聞き入れられない。怖くなって理事長室に戻ろうとしたら、コーチに“逃げんじゃねぇよ”と怒鳴られましてね」(同)

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