「飲酒を学校に報告したキャプテンを炎天下に1時間立たせて…」 サッカー名門校で「66人大量転校」背景に監督によるパワハラ疑惑が【スクープその後】

スポーツ

  • ブックマーク

栄養不足で10キロ近く痩せた生徒も

 実は、上船氏を巡る騒動は今回が初めてではない。

 鹿児島県の神村学園が淡路島でプロサッカー選手の育成を行っていた際、総監督を務めていた上船氏は、生徒と保護者から損害賠償を求める訴訟を起こされているのである。

 20年1月、この件を報じた本誌(「週刊新潮」)記事で、保護者らは口々に語った。上船総監督は、学校環境は良好で、充実した食事を提供し、勉強もマンツーマンで教えると請け合った。ところが実際は、生徒に“勉強はしなくていい”と言い放ち、満足な食事を与えず、みな栄養不足で体重が減り、最大10キロ近く痩せた子もいた。あれこれ改善を求めたが、スタッフは取り合わず、神村学園と上船氏を提訴するに至ったのだと。

生焼けのグリルチキン、週4回のカレー

 裁判まで起こされるとは指導者としてレッドカードをもらったに等しいが、

「こちらに入学する前に、もちろんその記事は読んでいたのですけれど……」

 と苦渋の表情で語るのは、相生学院高校サッカー部員の保護者だ。

「上船氏は“週刊誌の記事なんて全部ウソだから。本田圭佑と今でもLINEしてる仲なんだから、本当なわけないでしょ”と言い、何日か前にやり取りしたという本田さんとのLINEを見せてくる。それで、つい信じてしまいました」

 けれど、相生学院に移っても、実態は神村学園時代と同じ。勉強のサポートはほとんどなく、食事もずさん。生焼けのグリルチキンが供されたことも一再ならず。昼食は週4回カレーという時期が1カ月続いたことも。

「はなから食事には期待できなかったので、子どもにはカップラーメンなど簡単に作れるものを食べるように言っていました。ただ、コロナ禍の最中に熱を出しても病院に連れて行ってくれなかった時は、あまりにどうかと思いましたね」(保護者)

次ページ:部員の飲酒を報告したキャプテンを叱責

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。