【韓国ドラマ】「愛していると言ってくれ」が28年の時を経て… 成功した日本ドラマのリメイク作品4選
海と雪景色の違い
今年、日本でも大ヒットしたドラマ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」のソン・ヘギョ(42)と、「ムービング」のチョ・インソン(42)が共演したラブストーリー「その冬、風が吹く」(アマゾンプライム、ディズニープラスで配信中)は、そんな中で少し異色のリメイク作品かも知れない。オリジナルは渡部篤郎と広末涼子が主演した2002年作品「愛なんていらねえよ、夏」だ。
財閥の会長が病に倒れ、全財産を受け継ぐことになった視覚障害者の一人娘オ・ヨン。そんな彼女の前に、幼い頃に母とともに家を去った兄オ・スが現れる。実は男は、数年前に死んだ本物のオ・スと同姓同名の友人で、財産目当てに近づいた詐欺師である。
物語は天涯孤独の孤児で、生き延びるために何でもやってきたオ・スが、ヨンの中に自分と同じ孤独を見出し、騙すつもりが守護天使になってゆく……というスタンダードなラブストーリーだ。それが驚くほどドラマティックになっているのは「兄妹を装っている」「視覚障害」という設定ゆえだろう。圧巻は主演のソン・ヘギョで、「グローリー~輝かしき復讐~」よろしくの「カラカラに乾いた孤独と悲しみ」で、見事なまでに物語に引き込まれてしまう。
オリジナルでは「渡部篤郎=一攫千金を狙う愛を知らない偽悪的チンピラ」、「広末涼子=スネた孤独なお嬢様」というキャラクターだが、韓国版がもう少し都会的なのはオ・スを演じるチョ・インソンのキャラクター作りにあるだろう。オ・スは成功したギャンブラーで、豪華なタワーマンションで華麗に暮らしていた男だ。過去に本当に愛した女性(これをカメオ出演で演じているのが、「愛の不時着」のソン・イェジンなのだ!)を失った悲しみを抱えており、逆恨みするその女性の兄にハメられ借金を背負わされた――つまりそもそも愛によって自らを罰している男なのである。
オリジナルでは「ここぞ」という場面は海だが、韓国版は「白銀の雪景色」で、そこに立つチョ・インソン(190cm近い長身)とソン・ヘギョの美しさを際立たせる世界観を作っている。内容は同じでもクリエイションによってここまで違うものになるというのも面白い。
どの作品も日本での大ヒット作なので、見たことがある人も多いと思う。親しみのあるリメイク作品を入り口に、ぜひ韓国ドラマの世界を味わってもらいたい。