【韓国ドラマ】「愛していると言ってくれ」が28年の時を経て… 成功した日本ドラマのリメイク作品4選

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「梨泰院クラス(六本木クラス)」「ハイエナ 弁護士たちの生存ゲーム」「知ってるワイフ」「彼女はキレイだった」など韓国ドラマをリメイクした日本のドラマが増えている。この反対に、日本ドラマをリメイクした韓国ドラマもあって、人気は高い。日本ドラマのリメイクに成功した韓国ドラマ4作品を紹介する。【ライター・渥美志保】

俳優の卵と聴覚障害者の画家の恋

 K-POPを見てもそう感じるのだが、韓国のクリエイターはオリジナルなものに自国の文化を注入し換骨奪胎するのが非常に上手い。特に日本のドラマを韓国でリメイクする場合、大きなメリットとなるのが、その話数の違いだ。

 昨今の日本の連続ドラマは、1話が40~45分で全10話前後程度だが、韓国ドラマの場合、1話が1時間で16話が基本だ。日本のドラマでは、展開のスピード感とエピソードのギッシリ感を両立させようと思うと、時として物語を丁寧に語ることが難しくなる。だが放送時間に余裕のある韓国では、日本版では急ぎ足になった部分を深くきめ細かく描くことができる。実のところ韓国では、1話の長さを「1時間ものは1時間に収める」という厳しい規定はほとんどなく、内容先行で10分~20分程度の違いがあるのも一般的だ。

 最近では、俳優の卵と聴覚障害者の画家の恋を描いた「愛していると言ってくれ」(アマゾンプライム、ディズニープラスで配信中)が、まさにその「きめ細かさ」のお手本のような作品になっている。日本版のオリジナルは、豊川悦司・常盤貴子主演、北川悦吏子の脚本による1995年の伝説的大ヒット作だ。

 済州島のカフェで火事にあったモウンは、周囲の騒ぎに気づかず逃げ遅れそうになった聴覚障害者の画家ジヌを助ける。客室乗務員を辞め夢だった女優を目指すも失意の日々を送るモウンは、偶然にもソウルでジヌと再会。静けさの中で生きるジヌの孤独ゆえの優しさに癒やされ、距離を縮めてゆく。一方、たったひとりの世界で生きてきたジヌも、ためらいながらその思いを受け入れてゆく。

 日本版に比べ、韓国版では主役2人の年齢が10歳ほど高く設定されているせいか、ぐっと大人っぽいドラマになっており、様々な障害や偏見に胸を痛めながらも、揺らぐことのない世界を静かに育んでゆく2人に心洗われ、強く穏やかな愛に癒やされる。これみよがしなドロドロ系トラブルとは無縁で、2人の過去――特にチョン・ウソン(50)演じる施設育ちの主人公ジヌの経験が印象的で、その寂しさや孤独を持ってしても壊れることのなかったジヌの「幸福になる力」が、ドラマそのものを感動的なものにしている。「恋の場面」の切り取り方も「いかにもな韓国ドラマ」とは一線を画す美しさとなっている。

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