「“2代目”になりたいなどという気持ちは…」鈴木香里武が目撃したさかなクンのスゴさ

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幼魚水族館の展示の工夫

「魚を個として見る」という考えは、香里武さんが館長を務める「幼魚水族館」でも生かされている。

「幼魚水族館では水槽に顔を近づけて、小さな幼魚をじっくり観察する環境があります。そうやって魚を見ると、表情がよく見えて、一匹一匹に個性があることが分かると思います」

 面白い工夫を凝らした水槽もある。

「駿河湾にある漁港の一部を再現した水槽では、実際に海に落ちていた海洋ごみを入れています。ゴミの問題を知ってもらう目的だけでなく、漁港に住む幼魚たちはゴミの間に隠れて身を守っているので、ゴミすら利用して生きている幼魚のたくましさも伝えたいと思って作りました。僕自身はとにかく魚好きなので、もしはじめから大学で海洋学を学んでいたとしたら、知識は増える代わりにもしかしたら視野が狭くなっていたかもしれないなと思います。魚好きの視点だけでなく、あまり興味のない人にどうやったら楽しんでもらえるかということを常に考えています」

 魚にあまり興味がない人でも実践できる水族館の楽しみ方を聞いた。

「日本は水族館大国と言われるくらい、国土あたりの水族館の数が多いんです。それだけ魚を見る文化が根付いているわけですが、大人になるとなかなか足が向かないという人も多いと思います。ただ水槽を眺めるのではなく、この魚は何を考えているんだろうと思いながら、じっくり魚の顔を観察すると、新しい発見ができると思います。『気になる一匹を見つけよう』と思って水族館に行くと、気が合いそうな魚が見つかると思います」

デイリー新潮編集部

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