インフルエンザワクチンがアルツハイマーのリスクを下げる? 発症リスクを40%下げたという研究も

ライフ

  • ブックマーク

専門家に聞いてみると…

 ちなみに、今年9月に承認されたアルツハイマー治療薬「レカネマブ」は、治験において偽薬(プラセボ)を投与された患者と比べ、認知機能の低下を27%抑制した。単純には比較できないが、インフルエンザワクチンには期待したくなる。

 そこで浜松医療センターで感染症管理特別顧問を務める矢野邦夫医師に尋ねると、

「そんな話は初めて聞きました。例えば感染症が頭に影響を及ぼす事例でいうと、麻疹に感染した患者が10年の潜伏期間を経て、脳炎を発症したという報告があります。でも、今回の研究はインフルワクチンの話。そもそもワクチンは脳と直接関係がありません」

 ちなみに前出のレカネマブの薬代は1人あたり年約300万円。一方、ワクチンの接種費用は3千~5千円――。

 接種に行くのがお得そうなのだ。

週刊新潮 2023年12月28日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。