インフルエンザワクチンがアルツハイマーのリスクを下げる? 発症リスクを40%下げたという研究も
今年はコロナウイルスに代わってインフルエンザが大流行している。
厚生労働省によると、12月4~10日の週で全国の定点医療機関あたりの新規感染者数が33.72人を記録、「警報レベル」に達している。インフルエンザワクチンの接種が予防に効果的なのは論をまたない。しかも、アメリカの研究では、ワクチンがアルツハイマー病のリスクまで下げてくれるというのだ。
研究結果が掲載されたのは医学雑誌「ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディジーズ」。テキサス大学ヘルスサイエンスセンターの研究者らが65歳以上の患者約160万人を対象にワクチン接種記録を追跡したのである。
発症リスクが40%も低減
感染症の専門家によると、
「調査対象となったワクチンは3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)、帯状疱疹ワクチン、そして肺炎球菌ワクチンです。接種した人としなかった人を比べると、8年以内にアルツハイマー病になるリスクに有意な差が認められたのです。具体的に、3種混合ワクチンでは30%、帯状疱疹ワクチンでは25%、肺炎球菌ワクチンでは27%も低かったとあります」
注目すべきは、同じチームが2022年6月に行った調査で、インフルエンザワクチンの場合、アルツハイマー病の発症リスクが40%も低減したというのだ。
「それだけではありません。セントルイス大学医学部が21年に行った研究においてもインフルエンザワクチンと認知症リスクの軽減には関係性があると報告されています」(同)
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