「今の信号行けただろ!」「サングラスはお客に失礼だ」理不尽なクレーム、独特の勤務形態…バス運転手が明かす“過酷すぎる日常”

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車内事故

「乗客は『しゃべる』だけでなく『動く』から本当に怖い」というドライバーも。

「高齢者に多いのですが、走行中は席の移動はしないでくれとあれほどアナウンスしているのに、なぜかよりにもよって走行中にドライバーに質問しようと運転席へ歩き出し、転倒。弊社の場合、車内で走行中に転倒した場合は、理由の如何を問わず車内事故扱いになり、ドライバーの責任になります」

 こうした理由から、席が空いていても「優先席だから」と座りたがらない乗客には「是非座ってほしい」と訴える。

「立っていられると車内事故の確率が非常に高くなる。雨や雪の日は、足を滑らせての転倒も多いです。また、コロナ禍以降、つり革や手すりにつかまりたがらない人が増え、ブレーキを踏むのも怖くなります」

 もちろんバスドライバーは、こうした車内事故を起こさぬため日ごろから安全運転をしているのだが、それでも「運転が荒い」というクレームは少なくない。

「ドライブレコーダーで確認しても制限速度を守り安全運転しているのに、『運転が荒くて吐きそうになった』と匿名で営業所に電話がきた」

 しかし、いくらドライバーが安全運転をしていても急ブレーキを避けられない瞬間は発生する。それは、周囲で一緒に走る他のクルマや自転車の無謀な走行、歩行者の無謀な横断によるところが大きい。

「バス付近には『人間』が集まりやすい。降りた乗客が発車したバスの前を横切ろうとするケースがよく起きるのですが、そうなれば嫌でも急ブレーキを踏まざるを得ない。本当に危ないのでやめてほしいです」

「年末年始は、普段運転に慣れていないペーパードライバーや、やたらと急いでいるクルマも増えます。停留所ごとに停車するバスにイライラして嫌がらせしてくるクルマも。危険な運転をされたあげく『デカいくせにノロノロ走るな』というクレームまで入る」

 バスドライバーは、こうして車内だけでなく、車外からも理不尽なクレームを浴びせられることが多いのだ。

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