【内部資料入手】NHKの退職者が「年間70人→155人」と4年で倍増 若手だけでなく年収1000万円超えの管理職も「やってられない」と辞めていくワケ

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 NHKで2023年7月までの1年間に、155人の職員が退職していたことが、デイリー新潮が入手した内部資料によってわかった。4年前の退職者は70人とあり、倍以上に増加している。いつからNHKは魅力のない会社になってしまったのか。

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最も多いのは記者

 職場はテレビ局。給料も良く、都内の社宅に月3万円程度で住めるなど福利厚生も充実。受信料収入による安定した経営で倒産の不安なし…。これまでNHKの職員は「勝ち組」として羨ましがられてきた。だが、ここ数年で大きな変化が起きている。全世代にわたって退職者が急増しているのだ。

「12月だけでも10人くらいの記者がバタバタと退職したと聞いています。ディレクター、技術職など幅広い職種にわたって退職者は増えています」(40代職員)

 デイリー新潮が入手した内部資料は、22年8月から23年7月までの退職者数を職種別や処遇区分別にまとめたものだ。1年間で退職した職員の総数は155人。最も多く辞めているのが「取材」(記者)で33人。「管理」(総務系職員)30人、「専任」(解説委員など業務の専門家)28名「PD」(ディレクター)21人、「技術」(エンジニアなど)14人、「アナウンサー」4人、「デジタル」(2年前に新設されたネット業務の専門職)1人と続く。「映像取材」(カメラマン)は0人だった。

管理職の退職者も急増

 注目すべきは4年前(18年8月〜19年7月)の退職者数と比較したデータだ。総数は70人から155人と倍以上に増加。アナウンサー、映像取材ではマイナス1名となっているが、「取材」(16人→33人)、「PD」(15人→21人)、「技術」(3人→14人)、「管理」(17人→30人)と幅広い職種で大幅に増加している。

 処遇区ごとに分別された表を見ると、幅広い世代で退職者が増加していることもわかる。

 6つの等級で分けられた業務(一般)職員は、下から「業1①」14人、「業1②」35人、「業2①」30人、「業2②」16人、「業3①」8人、「業3②」28人。職員によれば等級はおおよそ3年ごとに上がっていく仕組みになっており、入局してまだ間もない、25歳から30歳くらいまでの職員が最も多い。記者ならば、まだ地方支局でドサ周りをしている最中だ。

 局内で「基幹職」と呼ばれている管理職のリタイアも続出している。4年前はゼロだったのに24人も辞めている。

 いったいNHKで何が起きているのか。

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