【内部資料入手】NHKが来年度から「テキストニュース」の縮小を検討 「NHK NEWS WEB」は「謎の新サイト」へ移行か

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「NHKラーニング」「NHKキッズ」「NHKゴガク」は来年度に〈終了〉

 逆に言えば、そのくらいユーザーに支持されているサイトなのである。「月間PV4億」という数字はおそらく日本のニュースサイトで最大級だろう。縮小や廃止となればユーザーから反発が起きる可能性もある。NHKはいったいどうするつもりなのか。

 関係者から入手した内部資料を見る限り、どうやら新聞や民放の圧力に屈しそうな気配だ。

 資料は〈2024年度サイト改定整理〉と題した7枚のPDFで、来年度以降のポータルサイトの運営方針を表などにまとめたもの。関係者によれば、9月末頃、理事に説明するために作られた資料という。

 資料冒頭には法改正を見据えたデジタル業務の本来業務化に伴い、予算が25億円増加する見込みと想定されている。現在NHKのデジタル業務の予算は200億円が上限となっており、今年度は197億円とギリギリいっぱいな状況だ。増加分は既存サービスにかけている予算を26.4億円削減して捻出するとある。

 具体的には、同時配信・見逃し配信サービスを提供する「NHKプラス」やラジオサイトの「NHKらじる」は来年度は〈継続〉し、〈25年度以降の姿は要検討〉。一方、“学び系サイト”のうちは「NHKラーニング」「NHKキッズ」「NHKゴガク」は来年度に〈終了〉し、「高校講座」など他のサイトも〈開発無・規模縮小〉とある。ほとんどのスポーツ系サイトが来年度に〈終了〉し、〈ニュースに吸収〉とも書かれている。

報道現場からは反発の声

 注目すべきはNHK NEWS WEBについての記述だ。来年度は全体として〈開発無・規模縮小〉とある。感染症情報や全国ハザードマップ、選挙ウェブ などは〈継続〉となっているが、政治マガジンや就活サイトなどの特設サイトは〈整理〉〈終了、NEWS WEBに移行、新サービス移行まで継続の3パターン〉。さらに25年度にはNHK NEWS WEB全体を〈新サービス「新報道サイト」に移行〉となっている。いったい「新報道サイト」とはどんなものを想定しているのか。現役職員は首を傾げる。

「全く謎です。そもそもデジタル事業の行く末については、私たちも新聞報道などで知るだけで、上から一切の説明がありません。この資料を読んでも具体的に何をしようとしているのかはまだ見えませんが、少なくとも上層部がテキストニュースを中心に、これまで大きく展開してきた報道のネット事業を縮小していく方向で考えていることがよくわかります。実際、新聞協会が”放送と連動していない”と槍玉に挙げている政治マガジンなどの特設サイトは来年度からなくなる、もしくは更新されなくなると聞いている。テキストニュースは放送に使われたもの以外は出せなくなると」

 この資料に書かれている方向で計画は進んでいるのだろうか。NHKに問い合わせると、

「ご指摘のような方向で検討している事実はありません。来年度のインターネットサービスについては、現在検討中のため、お答えを控えさせていただきます」(広報局)

 と否定した。

 関係者によれば9月下旬に作成された資料とのことなので、その後方針が変わったということか。だが、上層部のこうした動きは職員たちにも漏れ伝わっており、職員たちは「いったい上は何を考えているのか」と不安になっているという。

「NHKは放送事業者なのだから放送に専念すべき。ネット事業は受信料制度を考えてもおかしな運用になっている」(40代ディレクター)とテキストニュースの縮小に賛同する声もある。一方、報道セクションで働く記者の多くは反発しているという。中堅記者はこう憤る。

「この数年、これからはネットだと尻を叩かれ、『ネットワーク報道部』というネットニュースを編集する専門部署を立ち上げ、こんなにもユーザーに支持されているニュースサイトを作り上げたのです。どう考えたってもったいないでしょう。新聞・テレビ業界は民業圧迫と騒いでいますが、無限大に広がっているネット空間の中で NHK NEWS WEBが占める割合なんてたかが知れている。具体的にこれだけ割りを食っていると客観的に分かるデータを示すべきです。根拠も示せず感情論で騒いでいる」

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