中日、2年連続の最下位…屈辱の2023年シーズンを回顧!“ゴミ箱キック”や“晒し投げ”でファンが騒然

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DeNA「バウアー」が異例のエール

“ムエンゴ”に続いて、“晒し投げ”がトレンドワードになったのが、8月25日のDeNA戦である。

 2対8と大きくリードされた中日は、9回からこの日1軍に上がったばかりの3年目左腕・近藤廉が4番手として敗戦処理のマウンドに上がったが、打者16人に5四死球、タイムリー6本を含む被安打8の10失点と大炎上。1イニングに62球も費やしたのは、2リーグ制以降、史上3人目、歴代2位タイ(トップは2004年の阪神・吉野誠の64球)の珍事でもあった。

 2対18の大敗後、立浪監督は近藤を続投させた理由について、「最後の近藤のところは気の毒でしたが、勝ちパターン(の投手)しか残っていなかったので。酷なことをしました」と申し訳なさそうに説明した。

 だが、ネット上では「勝ちパターンの投手しか残っていなかったって、(8月17日から7連敗)ずっと勝ててないじゃないか」「問題なのは誰も近藤に声をかけなかったこと」などの反論も相次いだ。その一方で、この日8回2失点で10勝目を挙げたDeNA・バウアーが自身の下積み時代の経験と重ねあわせて「近藤投手、落ち込まないで、続けるんだ。世界最高の選手でもそういうときはある」と異例のエールを贈るひと幕もあった。

 今季1軍では1試合登板の防御率72.00という惨憺たる成績で終わった近藤は、シーズン後に戦力外通告を受けたが、育成選手として再出発。来季は1軍で結果を出し、バウアーの激励に応えたいところだ。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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