中日、2年連続の最下位…屈辱の2023年シーズンを回顧!“ゴミ箱キック”や“晒し投げ”でファンが騒然

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“ムエンゴ地獄”

 今季の中日は、12球団ワーストの1試合平均2.72得点という深刻な得点力不足もクローズアップされた。よく「3点までは投手の責任ではない」と言われるが、打線が1試合平均3点未満という“ムエンゴ”状態では、投手も報われない。その典型とも言うべき試合が8月13日の広島戦だった。

 先発・柳裕也は新球・フォークを武器に9回まで無安打無失点。通常ならこの時点でノーヒットノーランを達成していてもおかしくなかったが、味方打線は初回に岡林勇希の球団新記録となる26試合連続安打を達成するも、あとが続かず、9回までゼロ行進。柳も9回で降板した。

 前年も大野雄大が5月6日の阪神戦で9回までパーフェクトに抑えながら、0対0で延長戦に突入し、10回に初安打を許したが、無安打のまま降板して“ノーノー未遂”で終わったのは、2006年の八木智哉(日本ハム)、2014年の金子千尋(オリックス)に次いで史上3人目で、セ・リーグでは初の珍事。また、同一チームが2年連続延長イニングでノーヒットノーランを逃したのも、史上初となった。

 柳の降板後、中日は10回に守護神のマルティネスが堂林翔太のソロで1点を失うが、その裏、石川昂弥、宇佐見真吾の2者連続本塁打で劇的な逆転サヨナラ勝ち。サヨナラ弾の宇佐見とともにお立ち台に上がった柳が「皆さんのお蔭でノーヒットノーランを達成できました。人生初のノーヒットノーラン。ノーヒットノーランができて最高です……。ふざけるのは、ここまでにします」と語る姿を見て、「もっと打線が早く援護していれば……」と同情したファンも多かったはずだ。

 今季は柳ばかりでなく、高橋宏斗や小笠原も好投が報われず、“ムエンゴ”の主人公に。だが、開幕直前に8回を任せる予定だったロドリゲスがメジャー移籍を希望して来日をキャンセル、開幕直後には大野も左肘手術で戦線離脱するなど、想定外のアクシデントが相次ぐなか、それでもチーム防御率はリーグ2位の3.08を記録した。来季は巨人から移籍の中田翔に加え、細川成也、石川のさらなる成長で得点力アップを目指し、“ムエンゴ地獄”からの脱却をはたしたいところだ。

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