「君たちはどう生きるか」「ゴジラ-1.0」が全米を席巻 日本のサブカルで「アニメ」が“世界のメインストリーム”に躍り出た納得の理由

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「ガンダム」実写版も

 実は日本のコンテンツの海外人気にはもう一つ別のトレンドが存在する。日本発のコンテンツが海外で映像化されて大ヒットしている現象だ。

 映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、任天堂とユニバーサル・ピクチャーズの共同製作で、米国のCGスタジオ「イルミネーション」が制作した。製作予算は巨額の約1億ドル(約142億円)とも噂されるが、世界での興行収入は5億7500万ドルと、2023年に世界で最もヒットした映画の一つになった。

 1話当たりの制作費が約25億円とも伝えられるネットフリックスの実写ドラマ「ONE PIECE」も大人気だ。日本のコンテンツを巨額の予算で映像化し、それを十分な売上で回収する――。そんなビジネスが登場し始めているのだ。

 他にも、中国で「花の子ルンルン」にインスパイアされた新作アニメの制作や、インドで新作「おぼっちゃまくん」が共同製作されるニュースも話題になった。また来年以降に向け、スター・ウォーズシリーズでお馴染みのILMによる米国版「ULTRAMAN」の制作が進行中で、さらに大手映画会社レジェンダリー・ピクチャーズによる実写版「機動戦士ガンダム」の企画も進む。

 2024年の幕が開けると、“日本から海外へ――”だけでなく、海外を起点に日本の人気キャラクターがより遠くの異国へと飛び出す機会も増えるだろう。日本のアニメやマンガ、キャラクターの“国境を越えた活躍”はまだまだ続くことになりそうだ。

数土直志(すど・ただし)
ジャーナリスト。メキシコ生まれ、横浜育ち。アニメーションを中心に国内外のエンターテインメント産業に関する取材・報道・執筆を行う。大手証券会社を経て、2002年にアニメーションの最新情報を届けるウェブサイト「アニメ!アニメ!」を設立。また2009年にはアニメーションビジネス情報の「アニメ!アニメ!ビズ」を立ち上げ、編集長を務める。2012年、運営サイトを(株)イードに譲渡。2016年7月に「アニメ!アニメ!」を離れ、独立。

デイリー新潮編集部

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