「ギザ10」1枚が27万円に! プロのコイン商が明かす高額落札の理由と、レアコインの価値を半減させる“厳禁行為”

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未使用品は意外なところに眠っている?

 もし、こうした状態の良いギザ10を見つけたら、一攫千金……とまではいかなくても、お小遣い程度の利益が得られる可能性は十分にある。しかし、何しろ半世紀以上前のコインだ。未使用品など、どうやって手に入れるのかと思う人もいるかもしれない。これが、手に入る可能性があるのだ。銀座コインの竹内三浩さんがこう解説する。

「銀行で両替すると手に入る、未使用品のコインを50枚束ねた“ロール”が、金庫にしまわれたまま忘れられていることがあります。ロールになったコインは空気に晒されないため、数十年前のものでも美しい光沢を残していることが多い。特に、実家で昔、商売をやっていた人などは、金庫やタンスの中を探してみてもいいかもしれません」

 こうしたロールをばらしたコインは、コレクターの間で“ロール出し”と呼ばれ、珍重される。竹内さんによると、今回のギザ10もロール出しである可能性は高いという。年末の掃除のときにロールを見つけたら、ついバラして使ってしまうか、そのまま銀行に預金してしまいそうになるが、一度はコイン商に相談してみてもいいかもしれない。

コインの表面を磨くのは絶対にダメ

 YouTubeなどでは「コイン磨き」の動画が流行している。手垢にまみれたコインを特殊な薬品を使って磨き、輝きを復活させるというものだ。これは見ている分には楽しい。状態の良いコインが高くなるのであれば、コイン磨きの要領で磨けば一攫千金ではないか……と思う人もいるかもしれないが、竹内さんはこう指摘する。

「コインの表面を磨くのは絶対にやめてください。磨いたものか、本当の未使用品かどうかは、我々業者はすぐにわかります。それに、明治時代の金貨や江戸時代の銅貨などは、磨いてしまうと歴史の風合いが失われ、コレクション的な価値が半減することがほとんど。コインはありのままの姿で残していただきたいですね」

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