“かわいいだけじゃダメ”…にNO なえなの、元テレ東・森香澄も所属するseju “令和の芸能プロ”の戦略を仕掛け人が語る

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今の時代にグラビアに注力するワケ

 sejuの特徴の一つが、グラビアに力を入れている点だ。つい先日も、2020年にミス東大に輝いた神谷明采が「FRIDAY」で水着になったことで、一部から批判を浴びた。フェミニズムが広がりをみせる中、水着グラビアを敬遠する事務所も増えているが、sejuはむしろ積極的に取り組んでいる。

「うちに所属するタレントの中には男性ファンが多い子が少なくない。異性から人気を博している子が多いのなら、グラビアというコンテンツは至極真っ当な芸能活動のいちアクションなのではと考えています」

 上田さんはむしろプロによるグラビアこそ安心だと話す。

「sejuが仕事をしている雑誌は、この時代、ものすごくコンプライアンスを守ってやっていますし、なんならメディアの中で一番気を遣ってもらえる現場といえます。そうした場所で、プロの手によって綺麗に撮影もしてもらえ、その作品が世の中に流通する。タレントが真っ当に戦える現場だと思うんです」

「逆にインフルエンサーやTikTokerの中には、際どいセクシーなもの、それこそコンプライアンスもなく自身でアップしたりする人もいる。だったらいろんな大人が携わった、ちゃんとしたコンテンツでちゃんと世の中に認知を広げていく。それが正しい戦い方だと思うんです」

SNSでスカウト

 sejuでは当初、SNSフォロワー数の多い子を見つけスカウトしていたが、いま力を入れているのは原石探しだという。

「TikTokのフォロワー数は100~1000人と、本来うちの取りたいレベルかというと少し早すぎる。ただsejuを『SNSで見るかわいい子がいる場所にしたい』という思いがあったので、将来性やポテンシャル、スカウト担当が『かわいい』と感じる子を取っています。今はインフルエンサーは“個”で影響を持っていますし、フォロワーが5万人いれば、いろんな大人が近づいてくる。そういう子を一生懸命に口説き落とすよりは、そうではない子を見つけてくる方が、頑張ってくれると思うんです」

 中学生の頃からTikTokに動画を投稿していたという今森麻耶はその代表格だ。17歳でsejuにスカウトされた時には、宮崎在住でフォロワー数もそこまで多くなかった。その今森が今年「ミスマガジン2023」のグランプリに輝いた。

 上田さんも含めたsejuのスタッフは、日々TikTokで美少女探しに余念がない。かつて芸能事務所は竹下通りなどでかわいい子を見つけては、その場でスカウトしていた。

「今も芸能事務所さんの中には、街で女の子に声をかけるところもあると思うんです。でも僕は今の時代に即していないなとも思っていて。結構警戒をされると思うんです(笑)」

 だから令和に合わせ、SNSを通してのスカウトにアップデートさせた。上田さんはsejuをインフルエンサー事務所ではなく、イマドキの芸能事務所だと話す。

「sejuはインフルエンサー事務所と言われるんですけれど、やっていることはこれまでの芸能事務所とそこまで変わりはないと考えています。なので、いまどきの芸能事務所くらいに思ってもらえたら。グラビア自体は好きですし、女の子をとてもかわいく、綺麗に演出してもらえるものなので、今後も続けたい。あとはお芝居やバラエティー番組の出演も増やしたい。そのためにはSNSだけでなくテレビ、雑誌と活躍の場を僕らがゴリゴリと広げられたらなと思っています」

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。現在は退社し雑誌、ウェブで記事を執筆。個人ブログ「OUTCAST」も運営中。Twitter:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部

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