息子と妻に不倫がバレて家庭崩壊へ…その後、“ごく普通のいい子”だった50歳がとったゲスい行動とは
前編【大学生の息子が「20歳年上のシングルマザー」と結婚宣言…父親として「取り返しのつかないことをした」と嘆く50歳男性の末路】からのつづき
大曽根卓哉さん(50歳・仮名=以下同)は、25歳のときに同級生だった佳葉子さんと結婚し、27歳のときに息子の清志さんが生まれた。突然の失職、実家の母の不倫騒動などの事件はあったものの「感情を乱されることなく生きてきた」と半生を振り返る。そんな彼がパニックに陥ったのが、当時、大学生だった息子の「結婚宣言」だった。相手は喫茶店で知り合った20歳年上の女性で、父親の違うふたりの子供を育てているという。さらに“暴走”する清志さんは、大学を辞め働くと言い出した――。
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卓哉さんは、その女性に会いに行くことを妻には告げなかった。
「なんとなく息子を庇うというか、男同士ならわかってやれることもあるかもしれない、頭から反対している妻には、彼女と会ってみてから報告しようと思っていました」
息子には、それとなく彼女がその喫茶店に来る時間を聞いていた。見せてもらった写真には、相手の子どもたちと彼女と仲良く写っている息子の笑顔があった。もう止めても無駄なほど、相手との関係がしっかりできているのかもしれないと彼は思った。
「数日後、午前休をとってその喫茶店に行ってみると、それらしい女性が窓際に座って本を読んでいました。それとなく見たら、図書館で借りたらしい小説本で、けっこう集中しているのがわかった」
静かに近づいて、「菜穂子さんですか」と声をかけた。彼女は顔を上げて、「あ、清志のおとうさん?」と笑顔を見せた。
「そのうち来るかもって清志が言っていたから……。はじめまして。徳永菜穂子ですって彼女は立ち上がってさっと手を差し出したんです。なんだかドギマギしながら、その手を握りました。握手なんてしてる場合じゃないだろと自分に思わずツッコミながら」
想像と違っていた「彼女」
最初から菜穂子さんペースだったようだ。彼自身、どうしても反対というわけでもなかった。ただ、20歳で大学を中退するような事態にはなってほしくなかったのだ。
「その後、菜穂子さんといろいろ話しました。ふたりの気持ちは結婚することで一致しているのかと聞くと、『私は別に結婚を望んではいないし、清志にはもっとふさわしい女性がいると思う』と言うんです。じゃあ、清志ひとりが暴走しているのかと尋ねたら、私も彼のことは好きですと。ただ、会って半年しかたっていないし、子どもたちだって彼とは兄のような友だちのようなつもりで接しているから、とても今は結婚なんて無理だと思っているということでした」
卓哉さんは、ホッとしたような物足りないような、そんな気持ちだった。もっと突っかかってくるような女性だと勝手に思い込んでいたのだ。年若い息子が年上の女性に騙されたと思いたかったのかもしれない。騙されたわけではなく、どちらかといえば息子が暴走しているのだとわかると、彼女に申し訳ないような気持ちになった。
「父親の違う子を育てているシングルマザーという先入観もありました。正直言って、ろくでもない女性なのではないかと。だけど会った印象だと彼女は知的で、ごく普通の人にも見えた。仕事を聞くと『水商売だといえば、イメージに合いますか?』と笑ったんです。僕の浅はかさを見抜かれた気がしました。僕が口ごもっていると『水商売をしたこともありますよ。でも今は違う仕事をしています』と。商業関係のデザイナーだそうで、仕事内容はよくわからなかったけど貧乏というわけではないとはっきり言っていました。恥ずかしかったです、いろんな意味で」
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