旧ジャニ「STARTO社」が早くも逆境に…芸能事務所幹部が「協調できません」と言う理由
大物の独立で“配慮不要”が決定的に
福田氏の登場と東山氏の公言により、民放側はSTARTO社に気兼ねしなくて済むようになった。もっとも、そうでなくても民放側がSTARTO社側に配慮する理由はほぼなくなっていたのである。大物の独立が相次いだからだ。
岡田准一(43)、二宮、生田斗真(39)が独立し、風間俊介(40)もそれに続くことが決定済みであることから、旧ジャニーズ事務所の後継組織であるSTARTO社はタレントの総合デパートとまでは言えない。特別な配慮をしても得られるメリットが乏しいのである。
「気兼ねせずに山下や錦戸を使えるようになったのだから、旧ジャニーズ事務所の解体は民放にとって大きかった。今後も退所者のドラマ出演は続く」(同・大手芸能事務所幹部)
一方でSTARTO社に移籍する旧ジャニーズ勢がドラマに出るのは以前よりは難しくなるという見方が民放界、芸能界では強い。同社の売り物はエージェント契約を導入することだが、この形態はタレント本人の力量と希望に沿い、会社側が仕事を獲る。営業力が強化されることがエージェント制の特徴だ。
STARTO社はバーターを使えない
一方でエージェント制ではバーター(所属する大物が出演する際、若手の共演を条件にすることなど)や芸能事務所のスケールメリットを仕事獲得のために用いないのが基本。バーターはどの芸能事務所もよく使うが、作品を第一に考えてのことではなく、近代的な手法とは言い難い。万が一にもSTARTO社がバーターを使ったら、「古い芸能界」を否定する福田氏は、ダブルスタンダードだと糾弾されてしまう。やれないだろう。
エージェント契約を選択することが分かっているのは現時点では木村拓哉(51)のみだが、STARTO社でマネジメント契約を選ぶ多くのタレントもバーターは使いにくい。マネジメント契約であろうが、タレントの力量以外で仕事を獲る手法は福田氏が認めぬ「古い芸能界」の象徴だからである。
そもそもSTARTO社には逆風が吹いている。福田氏に批判的な民放、芸能事務所の関係者は驚くほど多い。「のんがドラマに出られないことにも関係している」(別の芸能事務所幹部)との指摘もよく聞く。福田氏とは仕事をしたくないという芸能事務所関係者が数多いのが理由だ。
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