「僕はパーソナリティーの魅力に欠けている」 「NHK新人落語大賞」の桂慶治朗が明かしたコンプレックスと、意外な転機

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 さる11月、若手落語家の登竜門とされる「NHK新人落語大賞」の本選が行われ、上方落語の桂慶治朗(39)が大賞を受賞した。

 師匠は桂米團治(65)、大師匠は米團治の父で、人間国宝に選ばれていた桂米朝(故人)だ。過去2回は予選落ちを喫したものの、3度目の正直で栄誉を手にした本人に話を聞いた。

「本当にうれしくて、これまでやってきて本当に良かったと思っています。師匠をはじめ、いろいろとお世話になった方々への感謝の気持ちでいっぱいになりました」

 予選に参加した104人中、本選まで残ったのはわずか5人。慶治朗は古典の「いらち俥(ぐるま)」をギャグ満載の自己流にアレンジして臨み、見事に会場の爆笑を誘った。5人の審査員による50点満点の採点は、ほぼパーフェクトの49点。審査員を務めた桂文珍(75)も、目を細めて「もう師匠を超えましたな」と、2度も繰り返したほどだった。

「師匠に受賞報告をした時に“この賞を励みに一層精進します”と伝えたところ、“もうせんでいい。師匠を超えているから”と笑って言われました」

大学進学、就職するも…

 大阪市生野区出身の慶治朗は、高校卒業後に3年ほどフリーターとして働いた経験を持つ。その間に資金をためて甲南大に進み、卒業後は不動産会社に就職。が、すぐに退職の二文字が頭に浮かんだという。

「“いつかはフリーに”という意識がありました。ある日、家でボーッとしていたら、“せや、落語家になろう”と思い立った。それまで意識的に落語を聴いていたわけではありませんが、バイト先でキャラクターショーのMCを務めるなど、人前で話をする経験に恵まれていた。落語は人前で芸を披露する仕事。いろいろ調べている最中にネット動画で見た、米團治師匠の滑稽噺(ばなし)『親子茶屋』が入門のきっかけになりました」

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