知事が噛みつくのはみっともない? 「都道府県魅力度ランキング」、全国46位「佐賀県」在住のネット編集者はどう考えるか

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調査項目は89個

 読売新聞に先日掲載された「都道府県魅力度ランキング」に関する記事は、本年度最下位だった茨城県内の支局所属記者が1ページを使って書いた大がかりなもの。ウェブ版では「都道府県魅力度で『下位』県の知事、格付けにかみつき突き放す…順位の調査方法は」というタイトルの記事になった。

 下位の常連県4知事の発言も紹介されているが、4人とも勝手に格付けされていると感じ、怒りが読み取れる。

茨城・大井川和彦知事「調査の信ぴょう性、価値に疑問」
栃木県・福田富一知事「魅力度だけを抜き出すのは納得できない」
群馬県・山本一太知事「根拠のないランキング。歯牙にもかけていない」
佐賀県・山口祥義知事「県民が前を向けなくなるリスクがある」

 記事内ではいかにして「魅力度ランキング」が決定するかが解説されている。

 魅力度ランキングは、民間調査会社「ブランド総合研究所」が毎年実施する「地域ブランド調査」によって決まる。とはいえ、調査の項目は89個に上り、「魅力度」はそのうちの1つに過ぎず、具体的には、「どの程度魅力的に思うか」と質問される。5段階評価で、点がつくのは「とても魅力的」の100点と「やや魅力的」の50点のみ。「どちらでもない」「あまり魅力的でない」「全く魅力的でない」はいずれも0点。これへの回答を加重平均する。

情報が足りないので何とも言えない

 2020年に最下位になった栃木県の福田知事は、ブランド総研に抗議のため乗り込んだ。群馬県は2021年に44位だったことから山本知事が法的措置をチラつかせた。2022年に44位だった時も、県庁作成の『「都道府県魅力度ランキング」検証報告書』でいかに同調査が偏っており、信頼性に足らないかを73ページにわたって責め続けた。

 ここまで一民間企業の調査結果に本気でキレるのもどうかと思う。実際、2020年の栃木・福田知事に対しては124件の意見が県民から寄せられ、「県民として恥ずかしい」といった否定的な声が多かったという。

 ただ、結局この配点における「どちらでもない」という回答は「分からない・知らない」を意味するわけで、多くの場合は「行ったことがないし、情報が足りないので何とも言えない」ということではなかろうか。

 たとえば、北関東3県は、多くの人口を抱える日本屈指の観光地である東京・埼玉・神奈川・千葉が近くにあるため、観光地の候補になりづらい。そして、これら一都三県の住人にしても、せっかく観光へ行くのなら北海道や京都や大阪へ行く。筆者である私(中川淳一郎)自身、これまでに北関東3県に行った回数を数えたらこうなった。

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