佐々木朗希を超えるか？ 大阪桐蔭の森陽樹は「新・令和の怪物」になれる逸材！ 1年生で早くも“150キロ超”
中学時代は「軟式野球部」
ロッテの佐々木朗希に続く“令和の怪物”が出現するのか――。各球団のスカウト陣の間で、この秋に最も話題になった1年生投手がいる。最速150キロを超える大阪桐蔭の森陽樹である。【西尾典文／野球ライター】
【写真】「怪物」の片鱗を見せ始めていた中学時代の森陽樹投手。元祖「令和の怪物」佐々木朗希がイベントで見せた珍しいスーツ姿も
彼の名前を聞いたのは昨年春のこと。宮崎県延岡市にある聖心ウルスラ聡明中のエースが190cm近い長身で、140キロを超えるスピードを投げ込んでいるという。同中は軟式野球部。硬式のボールに比べると、軟式のボールはスピードが出にくく、これほどのスピードボールを投げる投手はほとんどいない。森の実力を確かめるべく、筆者は、2022年8月22日に横浜スタジアムで行われた全日本少年軟式野球大会の対上一色中戦に足を運んだ。
森は2番、ピッチャーで先発。結果から先に述べると、全国でもトップクラスの強豪である上一色中の打線につかまり、6回を投げて4失点で負け投手となっている。
しかしながら、投球内容は評判通りのものだった。187cm（当時）の長身と長い手足を持て余すことなく、使うことができており、真上から振り下ろす腕の振りは迫力十分だった。
ストレートはコンスタントに140キロ前後をマークし、筆者のスピードガンでは最速141キロを計測した。甘く入ったボールはとらえられたものの、それでも6回で7個の三振を奪っている。
大阪桐蔭の近畿大会三連覇に貢献
この時点で、すでに森は高校野球関係者の間で有名な選手だった。横浜スタジアムのスタンドには、夏の甲子園期間中であるにも関わらず、多くの強豪校のスタッフが姿を見せており、森の投球に熱い視線を送っていた。水面下では、かなりの“争奪戦”となっていたことは間違いないだろう。
聖心ウルスラ聡明中は、巨人の戸郷翔征を輩出した聖心ウルスラ高の付属中学であり、当然、内部進学という可能性があったと思われる。だが、森が選んだ高校は、全国トップの強豪である大阪桐蔭だった。
高校入学後、中学時代に軟式でプレーしていたこともあって、春先は慎重に練習していたと聞くが、それでも、今年6月に行われた享栄との練習試合では、早くも最速146キロをマーク。秋の新チームから、ベンチ入りを果たしている。
そして、森の名前が一気に全国に轟くことになったのは、今年10月に行われた近畿大会だ。
初戦の高田商戦は、6点をリードした9回から登板し、ヒットは1本許したものの3奪三振で無失点。続く、報徳学園戦では、1点をリードした8回から2イニングをパーフェクト、4奪三振と圧巻の投球を見せている。さらに、決勝の京都外大西戦。先発投手としてマウンドに上がると、7回を被安打3、9奪三振で無失点に抑え、大阪桐蔭の秋季近畿大会三連覇に大きく貢献した。
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