不倫で解任された38歳「上野・前立教大駅伝監督」が現役復帰へ 箱根を控える教え子たちへの影響は
オファーの裏事情
だが、いくら上野氏が希望したとて、受け入れる先がなければ成り立たないことである。この点、さるスポーツジャーナリストはこう解説する。
「今回加入が濃厚とされている『ひらまつ病院』は、実業団の中ではトップレベルというほどではないものの、ここ数年でニューイヤー駅伝にも何度か出場できるようになってきた新興勢力。ニューイヤーの“当落線上”にあるチームとしては、5000mのタイムでいえばまだまだトップレベルにある上野氏の走力は魅力でしょうし、経験値の少ないチームに対する影響も期待したのではないでしょうか」
そしてこう声を潜める。
「トヨタや富士通などの“一流企業”だと、企業ブランディング的にも、不祥事を起こした人を呼ぼうということはまず考えられません。上場企業ではない『ひらまつ』だったからこそ出せたオファーではないかと思われます」
実は、ひらまつ病院は来月のニューイヤー駅伝出場も決まっている。まさか、早ければそこでの出場もあり得るのか?
「直近のニューイヤーは、既に出場者登録が締め切られていますから、さすがに上野氏が出場することはありません。ですが、2025年大会以降であれば、出場の可能性も十分にありえると思います。特に、比較的短い距離を走る予選会での活躍は大いに期待できます」
念のため、当のひらまつ病院にも取材を申し込んでみると、
「申し訳ございませんが、現段階でお話しできることはございません」
“元教え子たち”の今は……
ここで気になるのは、上野氏に裏切られた側にある立教大駅伝チームの選手たちへの影響である。
「監督が解任された直後に、箱根駅伝出場を懸けた予選会が行われたのですが、意外にも選手たちはそれほど気にしていない様子でした。外部からの心配する声に、『全然大丈夫ですよ』なんて返していた部員もいたくらいのようです。17日に行われた取材会では、主将が『監督が行ったことは許せないけど、ここまでのチームにしてくれたことには感謝しています』と大人のコメントをしていました」(立教大の関係者)
では不祥事の余波はすっかり収まっているのか。
「今は陸上部総監督が代理の監督を務めているものの、駅伝の経験者ではないので、完全に部員主導の体制になっています。部内では『上野監督とはもう連絡はとらないように』と言われているのだとか。ちなみに、不祥事の現場となったあの部用車は、今は使われておらず、当該の女子部員も姿を現さなくなっているようです」(同)
指揮官不在で迎える箱根駅伝となると、そう簡単な話ではあるまい。先述の酒井氏に展望を聞くと、
「予選会は選手たちだけでうまく通過することができましたが、本番は、レース中の微調整なども必要になってくるので、それを指示できる監督がいないことがどう影響するか。そして2区は留学生の出走が多い一方、立教にはそれがないのがネックです。1区と2区でどれだけ耐えて、またそれ以降でどれだけ巻き返せるかが、ポイントになるのではないでしょうか」
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