今年の紅白も「津軽海峡」だったけれど… 65歳「石川さゆり」の新曲が密かにヒット中
2023年の大晦日に放送されるNHK『紅白歌合戦』で、石川さゆり(65)は40年連続46回目の出場となる。ただし、2007年以降の歌唱曲は、「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」の順繰りで、今年は「津軽海峡・冬景色」であると発表された。若い世代には“石川さゆりって、持ち歌が2曲しかないの?”と誤解されそうだ(国民的に知られるヒット曲が2曲あるだけでも凄いことだが……)。
そんな石川だが、デビュー51年目を迎えた今年は意欲的な活動を見せている。まず、2月から3月にかけ、ジャズのビッグバンドやクラシカルなストリングスで代表曲をリアレンジしてワンテイクで収録したアルバム『Transcend』を、アナログレコードや高音質のスーパーオーディオCDで発売。録音エンジニアに内沼映二氏を迎えたこともあり、オーディオファンの間では“歌唱力や音質がハンパない”と話題になっていた。
そして、10月18日にCDシングル「越後瞽女(えちごごぜ)」、10月19日には配信シングル「ダメ男数え唄」を相次いで発売した。実はこれらの新曲が秘かにヒットしているのだ。
大物の訃報が相次ぐ年末でも大健闘
特にセールスが好調なのは、日本テレビ系で放送された水曜ドラマ『コタツがない家』の主題歌「ダメ男数え唄」。同作は、小池栄子扮するキャリアウーマンが、夫、父親、息子のダメっぷりに翻弄されるというドタバタ劇に寄せた、石川の陽気で勇ましい歌声が聴ける一曲だ。プロデューサーから指名された石川が、脚本を担当した金子茂樹氏が当て書きした歌詞を、細部までこだわって創り上げていったという。
その甲斐あって、レコチョク歌謡曲・演歌部門では、配信開始から12月20日までの64日間のうち27日間で1位を獲得している。大物歌手の訃報が相次いだこの年末にあっても、上位を維持したのは大健闘といえるだろう。それだけ意外性があり、演歌ファン以外にも広がっていることの表れだ。
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