新団体「ホスト連絡会(仮)」代表が初めて語る「悪質ホスト問題」 売掛は本当になくなるのか、闇営業化しないのか

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「売掛がないと仕事ががんばれない」という客

 一般的な感覚からすれば、すぐに支払えない金額で飲食をさせる売掛金など問題外だろう。だが、ホストの世界では、ごく一般的なシステムだったことも事実。わたし自身、初めに「売掛金が問題になっている」と聞いて、昔からあったのになぜ?と思ったくらいである。法的な観点からは、売掛金を禁じることは難しいとも聞く。

「現在のホストクラブのシステムは、吉原の遊郭や銀座のクラブからの流れがあるとわたしは見ていて、たとえば、芸者などが暇なことを指す“お茶を挽(ひ)く”という言葉はホストクラブでも使います。同じように、売掛もホストクラブの歴史の当初からあるもの。それがなくなるわけですから、今、お客様の話題は『売掛がなくなっちゃったらどうしよう』ということでもちきりだそうです。これまでできていた飲み方ができなくなり、お店に来られなくなっちゃうわけですが、その気持ちもわかる。実際に『売掛がないと仕事ががんばれない』というお客様も少なくなりません。けれども、団体の方針を話し合う時に“売掛禁止”を打ち出さないと、世間が許さない。ホストクラブという文化を守るためにはそうせざるをえない、と結論を出しました」

 思い切った施策ではあるが、業界的には大打撃だろう。小さなホストクラブでは潰れるところも出てくるに違いない。そして何よりの疑問が、本当にそれで、売掛金や悪質ホストがなくなるのか?という点である。

闇営業化はしないのか?

 悪質ホスト問題を受けての今回のルール制定を、2022年 に施行されたAV新法 と重ねて見る向きは多い。この法律によって仕事を失い、個人撮影や海外への出稼ぎなど、危ない現場に身を投じざるをえなくなった女性たちを、わたしは何人も取材してきた。“地下化”である。同様に“闇営業ホストクラブ”のようなものが横行し、売掛も未成年の入店も続いてしまうのではないのか。

「闇営業の懸念は、われわれも抱いています。先日、新宿区の吉住(健一)区長とともに開いた会見でも説明したように、本来であればすぐにでも未成年の入店は禁じるべきところですが、すでに来店している未成年のお客様も現実にいる。いきなり入店を禁じてしまえば、危ないホスト店に行ってしまうことが想定され、だからこそ既存客は引き続き入店できるというグラデーションを作ったわけです」

 実際に、悪質ホストや悪質な店があらわれた場合はどう対応するのか。

「加盟しているお店であればもちろん抜けてもらいますが、われわれ自身がそうした店に具体的にどうこうするということはできません。その場合は新宿区の危機管理部が警察と連携をとり、対応していくことになっています。もちろん、業界団体として悪質な店の情報共有は、区や警察と行っていくつもりです」

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