新団体「ホスト連絡会(仮)」代表が初めて語る「悪質ホスト問題」 売掛は本当になくなるのか、闇営業化しないのか
客に高額な売掛金(ツケ払い)を背負わせ、時に体を売ってそれを清算させる「悪質ホスト問題」を受け、新宿・歌舞伎町のホストクラブが来年4月に業界団体を立ち上げると発表された。代表に就くのは「歌舞伎町ホストクラブ協力会」会長の北条雄一氏だ。『売る男、買う女』(新潮社)などの著書があるノンフィクション作家の酒井あゆみ氏が北条氏を取材した。
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取材場所として指定されたのは、業界最大手「Group Dandy」の店舗だった。週末ではない平日、開店から間もない時間帯にもかかわらず、店内には少なくない数の女性客がいた。目下の悪質ホスト問題などどこ吹く風といった様子だ。
北条氏は現在55歳。すでに現役からは退き、現在はホスト業界の顔役として活動する立場だが、お呼びがかかればこうして店に顔を出すこともある。
悪質ホスト問題について、これまでもメディアからの取材申請はあったというが、断ってきたという。
「業界としての方針が定まっていなかったこともあり、申し訳ないのですが、取材のご依頼すべてお断りしてきました。すでに業界から離れた元ホストの方々が、この問題について論じているのはもちろん知っています。とはいえ、わたしは今もホストクラブの“中”の人間ですから、わたしの一存で取材をお受けするわけにもいかず、お話できなかったことはご理解ください。ただ、先日(12月13日)、業界団体を立ち上げ、この問題に取り組む方針が定まったことで、一度、わたしの考えをきちんとお話ししておこうと思いました」
来年4月を目途に立ち上げる団体は、仮称「ホスト連絡会」。歌舞伎町におよそ300店あるホストクラブの9割超が参加し、来年1月から未成年の入店禁止や売掛金の撤廃などのルールの順守をはかるという。
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