「山川穂高」FA移籍に非難殺到!なぜ、野球選手の“女性問題”は後を絶たないのか? 甲子園宿舎に女性を呼ぶ名門校の選手も

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強豪校の知られざる“伝統”

 ご存じの通り、サッカーやバスケットボールもプロ化しており、野球だけが“花形スポーツ”というわけではない。だが、収入面や知名度は、野球選手が国内でトップクラスにあることは間違いなく、アイドル的な人気を誇る選手も少なくない。10代の頃に溜め込んできたものが、“悪い形”で暴走してしまうケースもあるだろう。

 関係者に取材を重ねていくと、学生時代から常に我慢を強いられ続けているのかといえば、決してそういうわけではないという。甲子園で優勝経験がある強豪校のOBは、こんな話を教えてくれた。

「普段は寮なので、もちろん女の子と遊んだりできませんが、オフの期間は、みんないろんなところで遊んでいたと思いますよ。自分たちの時は、甲子園に出たら自由時間が多くて、3年生は宿舎のホテルに女の子を呼ぶことが“伝統”みたいになっていました。甲子園に出場すると、やっぱりレギュラーの選手はモテるんですよ。野球部を引退した後の高校生活とかは一番いい時期じゃないですかね……。それで、いろいろと勘違いしてしまうこともあると思います」

 この強豪校とは、数多のプロ野球選手を輩出している誰もが知る“超名門校”だ。そんなチームの選手さえも、すでに“勘違い”が始まっているようである。

 最近ではなくなったが、ドラフト会議で「逆指名制度」があった時代には、上位指名が確実になっていた大学生や社会人の選手が、契約金以外のいわゆる“裏金”、でしこたま遊んでいたという話を聞いた。一般的な常識や正常な感覚がないまま、周りから持ち上げられ、大金を手にしたりすると、道を踏み外すケースも当然、出てくるということだろう。

選手への誘惑はSNSが主流に

 一方で、選手に対して近寄ってくる“美人局的な手法”にも変化が見られるという。昔であれば、ファンレターやプレゼントを渡して電話番号やメールアドレスを知らせる、または繋がりのある知人から紹介を受けるというのが“王道”だった。

 だが、現在の主流はもっぱらSNSとなっている。主要なSNSであれば、直接やりとりできるDM(ダイレクトメール)の機能があるため、連絡先の交換などの手間なく、選手とファンが繋がることが可能だ。

 もちろん、いきなり知らない人物からのDMに対しては対応しないケースが大半と思われる。しかし、選手の気を引くための投稿を事前に多くしておく、あたかも共通の知人がいるかのように装うなど、あらゆる“餌”を撒いて針に引っかかってくるのを待っているケースも多いという。“あの手この手”の誘惑に乗ってしまい、気がついたら大きな問題に発展するケースもある。

 入団と同時にそれまで利用していた個人のSNSアカウントを一度全て閉鎖させ、教育を行っている球団もあると聞くが、そういったツールに対するリテラシーを高める努力は、野球界全体として必要ではないだろうか。

「不倫をしても法を犯しているわけではない」「野球で結果を出しさえすれば問題ない」という意見も理解できる。野球選手が“聖人君子”である必要もないだろう。とはいえ、子ども達にとってみれば「憧れの存在」であることは間違いない。不祥事が彼らをどれだけ失望させるのか、野球選手には“想像力”を働かせる義務があるはずだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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