「ゴジラ‐1.0」アメリカで高評価も、「『君たちはどう生きるか』の方がアカデミー賞の可能性は高い」と専門家が指摘

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受賞の可能性が高いのは「君たちはどう生きるか」

 ただ、猿渡氏は、そうした高評価は限定的なものではないかと指摘する。

「もともとゴジラや怪獣映画が好きな人たちにとって満足だった、ということではないでしょうか。“アメリカでゴジラフィーバーが起きている!”というわけではありません」

 興収の数字は立派だが、

「ディズニーの『ウィッシュ』は地力を発揮して公開3週目で累計75億円ほどの興収に達し、リドリー・スコット監督の大作『ナポレオン』も同じく3週目で興収は約80億円、対してゴジラは2週目で40億円弱ですから、やや息切れ感が見えますね」(映画ライター)

 アカデミー賞に関しても、

「残念ながら、今のところゴジラが話題に上がることはありません」(猿渡氏)

 冷や水を浴びせられた怪獣ゴジラ。代わって賞レースへと猛進する存在が。

「むしろ受賞の可能性が高いとしたら、『君たちはどう生きるか』ではないでしょうか」(先のライター)

「君たち~」はご存じ宮崎駿監督のジブリ作品。ゴジラに1週間遅れて8日に全米デビューを飾り、公開3日間の全米興収はゴジラのそれを抜いたのだった。

「映像と音楽ともにアメリカでジブリ作は評価を確立しています。賞の獲得に向け、秋口から試写会を頻繁に組み、着実にキャンペーンを展開中です」(同)

 気を吐く巨匠に、さすがのゴジラも退散か。

週刊新潮 2023年12月21日号掲載

ワイド特集「メガネの裏がわ」より

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