「いったん攘夷のち開国」――幕末の志士たちの不合理な作戦がもたらした「意外な果実」とは

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 幕末の黒船来航をきっかけに、開国派と攘夷派の間で激しい主導権争いが繰り広げられた。今から見れば、強大な西洋諸国との戦争を避けて開国するのが当たり前、攘夷を目指した一部の志士たちは不合理だったという評価が相場だろう。

 しかし、戦後の国際政治学をリードした高坂正堯氏(1934~1996年)は、攘夷派も一定の役割を果たしたと評価している。高坂氏の「幻の名講演」を初めて書籍化した新刊『歴史としての二十世紀』(新潮選書)から、一部を再編集して紹介する。...

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