「組員の心を一つに」と誓った6代目山口組と3代目弘道会の「事始め」模様と「ラーメン組長」2代目事情
新組長、会長らとの盃が交わされた弘道会の事始め
司組長は傘下のボディガードが拳銃を所持していた件で共謀共同正犯の罪に問われたことはよく知られている。司組長はこの件で懲役刑が確定し、府中刑務所に5年以上服役した。実は瀧澤会長も同様に組員の拳銃所持の件で共謀共同正犯の罪で訴追され、裁判で争っていたことがある。
その闘争はなかなか長いものだった。1審・2審は瀧澤会長に無罪判決を下したが、検察の上告で最高裁は地裁への差し戻しを命じた。
2度目の地裁で再び無罪の判決が出て2審に進んだが、そこで地裁へ差し戻し判決が下る。その後も上告棄却など紆余曲折を経て、都合3度目の地裁判決で懲役6年の有罪判決が言い渡された。これを受けて瀧澤会長は控訴したが、その判決が出る前、2018年に死去している。
話を事始めに戻そう。
6代目山口組の最中核組織・3代目弘道会は15日に、11代目紙谷一家(本部:三重県津市)で事始めを行った。
「2代目福島連合を継承した佐藤正和会長、2代目湊興業を継承した小林重貴組長が3代目弘道会の竹内照明会長と盃を交わしたと聞いています」(同)
ラーメン組長事件に進展なし
両団体ともに佐藤会長、小林組長がトップに就任することは既定路線だった。ただし、福島連合の前会長は後進にポストを譲っても引退せず、現在、総長として組織に残っている。
トップを譲っても組織を去ることなく“名誉会長”的に残るやり方は、6代目山口組の高山清司若頭が主導したものと見られている。構成員が減少し、弱体化していくばかりの組織の状況に歯止めをかける窮余の策と言えるのかもしれない。
小林組長が後を継いだ湊興業の先代は、今年前半、ヤクザ関連のニュースで大きく注目された「ラーメン組長」事件の被害者である。4月22日、余嶋学組長(当時)が自身経営のラーメン店において拳銃で撃たれて殺害された一件は広く報じられた。「暴力団組長のシノギの意外性」も相まって、世間の注目を集めたのでご記憶の方も多いだろう。
防犯カメラの映像にはヒットマンと思しき人物の姿が克明に記録されていた。また発生から間もなく、実行犯が乗り捨てたクルマが発見されるなど、解決はそう遠くないという見方もあったのだが、事件発生から8ヶ月が経過した今もなお、犯人は逮捕されていない。
なお、6代目山口組と敵対する神戸山口組については現時点で、事始めも納会も行われたことが確認されていないという。
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