りゅうちぇるさんの報道にあった「いのち電話」の意味とは マスコミと自殺の関係性

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芸能人の自殺報道の影響

 厚生労働省は、WHOが作成した自殺対策に関するガイドラインに基づいた報道をメディアに求めている。

 ガイドラインでは、「報道を過度に繰り返さないこと」、「自殺に用いた手段について明確に表現しないこと」、「自殺が発生した場所や場所の詳細を伝えないこと」、「センセーショナルな見出しを使わないこと」などが呼びかけられている。それでも煽情的な報道が無くなったわけではない。2022年5月11日に、お笑い芸人の上島竜兵さんが亡くなった際には、自宅から生中継したテレビ局があり、視聴者からも批判を受けた。

「自殺報道が無くなるべきとは思いません。しかし、特に有名な芸能人や政治家の方などが自殺した場合は、後追い自殺が増えることは明らかです」

 いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)によると、2020年の自殺者が増加したタイミングには、自殺した芸能人の影響が見られるという。例えば、2020年7月18日の俳優・三浦春馬さんの死では、死後、10日間程度の自殺者が急増したと同センターは分析。同年9月27日に亡くなった竹内結子さんについては「自殺日を含めた10日間で約200人が女優の自殺・自殺報道の影響を受けて亡くなった可能性がある」との結果を公表している 。

 自殺報道が大きな意義を持つ場合もある。 大手広告会社・電通の社員だった高橋まつりさんや宝塚歌劇団の劇団員有愛きいさんのケースでは、背景に長時間労働などの社会問題があった。

「報道の自由や意義というのは尊重しなければなりませんし、マスコミの報道によって、社会問題が改善に向かうこともあります。一方で、自殺報道をすると、後追い自殺が生まれてしまうこともまた間違いなく、いかに報道のマイナス面を中和するかが重要です。ガイドラインにあるように、煽情的な報道は控えるべきですし、メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識することも重要です」

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