ついに始まる「新NISA」活用法 経済アナリストが「リスクを取った方が“非課税枠”のメリットは大きい」と説く“合理的”な理由

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「テーマ」を決めてみる

 あるいは、テーマを決めて投資をしてみるも良いと思います。わかりやすいのは、これから経済成長が見込めそうな国の投資信託やETF(上場投資信託)などを買ってみることでしょうか。例えば、さらなる人口増加が期待されるインドやインドネシアの株に注目してみるのは良いかもしれません。もちろん、全世界に投じるよりはリスクが高まるとは思いますが、リスクとリターンは背中合わせですから、その分リターンも高まります。注目している国があれば、その国を攻めてみるというのも一つの手です。

 ちなみに、こういう場合、よく中国はどうなのかと聞かれることがありますが、私個人としては、リスクが大きいかなと感じています。そもそもの地政学リスクに加え、国内企業に対する規制が突発的にかけられることも少なくないですから、インドやインドネシアに比べると、安全性は低い気がしています。

 あとは、「AI」や「電気自動車」など、産業の分野に注目してみるのも手です。NISAで購入できる商品には、AI関連の企業に投資している投資信託もあれば、電気自動車関連の株だけに投資しているETFもあります。「これからはAIの時代が来る!」「電気自動車が覇権を握るようになるぞ!」などと考えるなら、そのような商品を探してみるのも良いでしょう。

思わぬリターンも

 このように、「国」や「産業」などを見ていくと、学びのきっかけにもなると思うんです。例えば、インドのことを知るために、あるいはAIのことをもっとよく知るために、これまでは三日坊主だった人でも、新聞を読む習慣がつけられるかもしれない。興味をもって、自分事としてニュースを見られるようになれば、それだけでも大きな学びになっていくはずです。それが本業のビジネスにも活きてきて、昇給したり、あるいは転職して給料が上がったりする可能性も大いにありますよね。投資をしてみたことによって、副次的に収入が増えたのであれば、それもまた一つのリターンといえるのではないでしょうか。

 投資とは、必ず儲かるとは言えない前提がある以上、つまるところ損するか得するか、そのどちらかしかありません。一方、このような知識や考え方というのは、“自己投資”によって確実に手に入るものですし、なくなりもしない。投資というものをもっと広義にとらえてみるのは、私は良いことだと考えています。

 ということで、NISAの活用方法について、様々な考え方をお伝えしてきましたが、やはり強調しておきたいのは、あくまでも「投資」であることに変わりはなく、やり方は人それぞれ、そして「やる・やらない」も個人の自由だということです。いずれにしても、「新NISA」開始を目前に、この年末年始を投資について考える、あるいは考え直すきっかけとしてみてはいかがでしょうか。

デイリー新潮編集部

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